中国の APT グループによるロシアに対しての攻撃も報告されています。第 56 ブラゴベシチェンスキー赤旗国境警備分遣隊や、この地域に詳しい関係者や軍人が標的である可能性が指摘されていますので、ロシア連邦軍に関連した情報収集とみた方が良さそうです。
ウクライナに関連したサイバー関連は多数報じられていますが、軍事的な面で注目なのは、いわゆる「鉄道戦争」と呼称されるベラルーシ鉄道システムへのハッキングや列車の走行妨害です。
連日、報道の続くウクライナ情勢ですが、ウクライナの IT 軍「 IT ARMY OF UKRAINE 」とロシアのサイバー軍の活動も非常に活発です。
北京冬季オリンピックの開催前ということもあり、同大会の公式アプリ「 MY2022 」の脆弱性やプライバシーにおける問題が取り沙汰されており、新疆ウイグルやチベットなどの国内問題や中国政府への非難などの政治的な話題が検閲対象との見方が強いです。
2021 年 12 月は、Apache Log4j の重大な脆弱性である「 Log4Shell 」( CVE-2021-44228, CVE-2021-45046, CVE-2021-44832 )が大きな話題となりました。
11 月は、中国の APT グループによるものとみられるサイバー活動が ASEAN 地域や日本国内で観測されています。南シナ海情勢に関連した動きとみられ、主に安全保障に関連した諜報活動の一環とみられます。
米国商務省産業安全保障局( BIS )は、悪意のあるサイバー活動に使用される可能性のある特定の品目の輸出、再輸出、または(国内での)移転に関する規制を定めた規則(暫定版)を発表しました。
隣国の中国では、9月より複数のセキュリティに関連した法律が施行されています。注目されるのは、「ネットワーク製品のセキュリティ脆弱性管理に関する規定」や「重要情報インフラセキュリティ保護条例」でしょう。
8 月はタリバンがアフガニスタン首都を制圧したことが記憶に新しいニュースです。今回の事案に関連していると噂される中国は、昨年 12 月に国家安全部の関係者が、タリバン内の最強硬派「ハッカニ・ネットワーク」と接触していたことが報じられています。
7 月は、米国が英国や同盟国などと連携し、中国によるサイバー攻撃に対する非難声明を行なったことに注目が集まりました。
6 月は、中国および北朝鮮の攻撃報道が複数ありました。中国の APT グループによる ASEAN 諸国へのサイバー攻撃が目立って確認されており、中国の外交政策を含めての動きに注目が集まります。
5 月は、米国、英国がロシアによるサイバー攻撃に関するアドバイザリをリリースするなど、米国のロシアに対する経済制裁と連動した動きが見られました。
米国がこれらの 3 カ国によるサイバー攻撃への対応として、経済制裁だけに留まらず、物理的紛争(ドローンによる特定施設への物理的打撃まど)に発展することへの懸念を示しています。
中国では、3 月 5 日に第 13 期全国人民代表大会第 4 回会議(全人代)と全国政治協商会議(政協)が開催されました。これらの会議で提案および決定された内容は、サイバー領域における情勢へも影響するものです。
私見ですが、現在中国の APT グループは、2018 年以降から大きく変容している印象を持っています。現在の脅威アクターを知る上でも本レポートは参考になるものだと思います。
同記事によれば、北朝鮮当局は、ワクチン開発の技術をはじめ、COVID-19 の関連情報だけを窃取する専門のハッキング組織を新設したと報じています。
2020 年最後の月は、インシデントが多く報じられました。まず、米国政府 機関などへの SolarWinds 社製品を介したサプライチェーン攻撃は、米国土安 全保障省( DHS )が緊急指令を発出するなど、世界的な注目を集めました。
11 月は日本でのインシデント報告も散見され、特定国からのサイバー攻撃が活気付いている印象がありました。特に、IT サービスプロバイダーを介したサイバー攻撃は、諸外国を含め流行しており、組織規模は関係なく警戒が必要です。
何かと諜報活動に利用されている印象のある Linkedin ですが、在宅勤務者の増加で、悪用リスクはこれまで以上に増大するのではないでしょうか。副業を認める企業も増加傾向にあると言われています。これまで以上にターゲットへ接近しやすくなることは想像がつきます。
測定結果の内容については賛否両論あるかと思いますが、日本のトップ 10 へのランクインは思いのほか高評価です。測定項目は「Surveillance」「Defense」「Information Control」「Intelligence」「Commercial」「Offense」「Norms」の 7 つです。
インシデントは、Maze ランサムウェアの被害が話題となりました。業務関連データの暗号化に加え、社外秘情報などの一般公開は、新型コロナウイルスの売上減への更なる追い討ちとなりかねません。