しかし求人情報にはこんなトホホな条件が書かれている。「この予算は確約ではありません。したがって当局はどれだけ仕事があるか、いくら払うかを保証できません」提示された金額から考えると、採用される C++ プログラマーは勤務時間のごく一部だけをこの仕事に充てることになりそうだ。つまり、せいぜい副業程度の扱いということだ。
トランプ大統領は記者会見で以前、次のように鼻高々で自慢していた。「ベネズエラ侵攻の夜、首都カラカスは真っ暗な闇に包まれた。我々の特別な専門技術(編集部註:サイバー攻撃による停電を示唆)で街の電気を消したからだ。暗闇の中でアメリカ軍は敵に致命的な一撃を与えた」と。
口の軽い大統領が自己の虚栄心を満たすために軍事機密をベラベラ喋ってしまったものだから、ペンタゴンも最早観念して「はいはい、うちのハッカーも頑張りました」と最初から白状するようになったのかもしれない。
我々の超高齢化したセキュリティ文字列(パスワード)をここで擁護しておくと、いま挙げた問題はいずれもパスワード固有のものではない。きちんと仕様が定められ実装されたパスワードシステムを、きちんと教育されまっとうな動機を持つちゃんとした人々が使用すれば、誰もがうらやむほどパスワードは安全だ。問題が何なのか、もう読者諸氏はお分かりだろう。そんな理想的な条件が現実世界で揃うわけがないのだ。