北朝鮮による年間の暗号資産窃取が加速しており、金正恩政権が支援するサイバー犯罪者らが 2025 年に 20 億ドル(約 3,140 億円)強相当のトークンを奪取した。
これはブロックチェーン企業 Chainalysis 社の調査によるもので、同社の専門家によると、この数字は前年比 51 %増を示しており、世界全体で盗まれた暗号資産総額 34 億ドルのうち大きな割合(編集部註: 59 %)を占めている。
「これは盗難額の観点から北朝鮮による暗号資産窃取として記録上最も深刻な年となった。また北朝鮮の攻撃は、暗号資産サービスへの侵害の 76 %を占め、これも記録的な割合となった」と同社のレポートは指摘している。
急増の主な要因は、北朝鮮が 2 月に実行した、暗号資産業界史上最大規模の窃取事件のひとつとされる、ドバイを拠点とする大手暗号資産取引所 ByBit への攻撃で、約 15 億ドル相当のデジタル資産を奪取したことだ。
増加のもう一つの理由は、同国が個人ウォレットを狙う攻撃を強化したことで、北朝鮮が窃取した暗号資産 約 20 億ドルのほぼ半分(44 %)を占めるに至った。なお、2022 年の個人ウォレットからの窃取は全体のわずか 7.3 %だった。
北朝鮮は今年、約 15 万 8,000 件の個人ウォレット攻撃を実行し、8 万人の個人から暗号資産を盗んだ。
