イギリス中央銀行、ジャガー・ランドローバーへのサイバー攻撃をGDP成長鈍化の一因に挙げる | ScanNetSecurity
2025.12.10(水)

イギリス中央銀行、ジャガー・ランドローバーへのサイバー攻撃をGDP成長鈍化の一因に挙げる

 木曜日の発表でイングランド銀行( BoE )は、金利を 4 %に据え置きつつ、英国の実質 GDP は第 3 四半期( 7 ~ 9 月)は 0.2 %成長であるとの見通しを示した。これは 8 月の第 2 四半期レポートで予測された 0.3 %からわずかに低下している。BoE はこの成長鈍化の理由として「対米輸出の減少」と「政府が財政支援を提供せざるを得なくなるほど深刻な被害をもたらしたジャガー・ランドローバーへのサイバー攻撃」の 2 点を挙げている。

国際
(イメージ画像)

 イングランド銀行(BoE:Bank of England)は、予想を下回る英国の GDP 成長率の要因のひとつとして、9 月に生産停止にまで追い込まれたジャガー・ランドローバーへのサイバー攻撃を挙げた。最新の金利決定発表の中で明らかにした。

 木曜日(編集部註:11 月 6 日)の発表で BoE は、金利を 4 %に据え置きつつ、英国の実質 GDP は第 3 四半期( 7 ~ 9 月)は 0.2 %成長であるとの見通しを示した。これは 8 月の第 2 四半期レポートで予測された 0.3 %からわずかに低下している。

 BoE は、この成長鈍化の理由として「対米輸出の減少」と「政府が財政支援を提供せざるを得なくなるほど深刻な被害をもたらしたジャガー・ランドローバーへのサイバー攻撃」の 2 点を挙げている。

 サイバー攻撃が英国に実質的な経済・財政的損害をもたらした初のケースとみられている。

 2021 年付けの予算責任局(OBR)の最新報告書によると、サイバー攻撃は英国にとって深刻化する脅威ではあるものの、経済全体に悪影響を及ぼすほどの混乱を引き起こした事例はなかったという。

 最も影響の大きいサイバー攻撃を深刻度別に分類するサイバー監視センター(CMC)は、10 月下旬、ジャガー・ランドローバーへのサイバー攻撃を「カテゴリー 3 のシステミック・イベント」に分類したと発表した。地域経済への損失は最大 21 億ポンド(編集部註:約 4,240 億円)に上る可能性があるという。

 エコノミストらはこれまで、ジャガー・ランドローバー単体への被害だけでも収益損失が 20 億ポンド(編集部註:約 4,000 億円)を超える可能性があると試算していた。

 この攻撃はジャガー・ランドローバーの生産に壊滅的な影響を及ぼし、英国内の主要工場が数週間にわたって操業を停止しただけでなく、その影響は同社の広範なサプライチェーン全体に波及した。この点が、政府による異例の財政介入につながった要因となった。


《The Register誌特約記事》

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