Microsoft SharePointの脆弱性(CVE-2025-53770)を悪用するサイバー攻撃 | ScanNetSecurity
2025.12.05(金)

Microsoft SharePointの脆弱性(CVE-2025-53770)を悪用するサイバー攻撃

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社は7月23日、オンプレミスのMicrosoft SharePointで発見された重大な脆弱性(CVE-2025-53770)を悪用するサイバー攻撃の世界的な急増について、調査結果を発表した。

脆弱性と脅威
標的となった主な業界
  • 標的となった主な業界
  • 攻撃を受けた主要な地域

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社は7月23日、オンプレミスのMicrosoft SharePointで発見された重大な脆弱性(CVE-2025-53770)を悪用するサイバー攻撃の世界的な急増について、調査結果を発表した。

 「ToolShell」と命名された、Microsoft SharePointのゼロデイ脆弱性(CVE-2025-53770)を積極的に悪用した攻撃キャンペーンでは、オンプレミスのSharePoint Serverへの不正アクセスを可能にし、企業環境に深刻なリスクをもたらしている。

 Check Point Software Technologies Ltd.の脅威インテリジェンス部門 Check Point Research(CPR)では2025年7月7日に、西ヨーロッパの主要な政府機関が標的となったことを発見している。同脆弱性を悪用した攻撃は、7月18日および19日に激化し、下記のIPアドレスに関連するインフラが使用されていた。IPアドレスの1つは、「Ivanti EPMM(エンドポイントマネージャーモバイル)脆弱性チェーン」(CVE-2025-4427およびCVE-2025-4428)に対する悪用にも関連していた。

104.238.159.149
107.191.58.76
96.9.125.147

 攻撃ベクターにはカスタムのWebシェルが含まれており、それによってVIEWSTATEペイロードからパラメータ解析を実行することで、逆シリアル化攻撃が可能になっている。攻撃の標的となった主な業界は、政府機関が49%、ソフトウェア業界が24%、電気通信業界が9%となっている。

 攻撃対象となった主要な地域は北米と西ヨーロッパで、特にSharePointをオンプレミスで運用している組織が影響を受けている。

 CPRでは、SharePointの脆弱性(CVE-2025-53770)および関連する脅威がもたらすリスクを軽減するために、下記を推奨している。

・マルウェア対策スキャンインターフェース(AMSI)が有効になっていることを確認
・SharePoint ServerのASP.NETマシンキーの定期的なローテーションを実施
・チェック・ポイントのHarmony Endpointを実装し、サーバ上でのポストエクスプロイト活動をブロック
・可能な場合にはPrivate Accessツールを使用し、インターネットからのSharePoint Serverへのアクセスを制限
・チェック・ポイントのQuantum Gateway IPSパッケージ635254838を更新し、保護が「防止」に設定され、SharePoint Serverのトラフィック検査を実施することを確認

《ScanNetSecurity》

関連記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 永世名誉編集長 りく)

×