●はじめに
前回の記事では、クラウドセキュリティにおいてゴールであるリスク解決をするための運用についてお話しました。今回は、お客様がハッピーになる運用を実現する Cloudbase のプロダクト開発の文化についてお話していきます。
●Cloudbaseが大事にしているカルチャー
弊社では、Value(バリュー)というものを設けています。社是のようなものです。この Value は 2 つ存在しており、「Unlock」と「With」と定義しています。
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「Unlock」はお客様に価値を提供するために、難易度の高い課題を解決していこうとする我々の姿勢が表れています。一方で「With」は、お客様と共にパートナーとして同じ方向を向いて事業活動をすること、お客様の声を宝物と捉えて真に価値のあるプロダクトを一緒に作っていくという弊社の強い考えが表れています。
そのため、プロダクトチームもお客様との対話を重視し、どのようにすれば皆様の運用課題をより深く解決できるか、どうすれば目の前の担当者様が気持ちよく日々の業務ができるようになるかについて、常に考え続けています。
今回は、この「With」という Value を体現しているお客様の声を元に、プロダクトをより進化させることのできた事例をいくつかご紹介いたします。
※ 全ての機能開発はお客様の声を収集しながら優先順位を考えて進めていますが、今回はその一例をご紹介します。
●お客様と共にプロダクトを成長させた事例
1.コンプライアンス画面
まずは、コンプライアンス画面から紹介します。クラウドセキュリティの運用においては、CISベンチマークや NISTサイバーセキュリティフレームワークのような、広く知られているコンプライアンスを元に設定監査(ポスチャマネジメント)を行うことが多くあります。Cloudbase でもこのようなフレームワークに沿って網羅的なスキャニングを行っています。このアップデートは、コンプライアンスを中心に据え、コンプライアンスベースでクラウドセキュリティの運用を回したいという複数のお客様からのご要望を叶える形で実現しました。
コンプライアンスに焦点をあて、リスクと管理番号が紐づけてあったり、機械的に行えるスキャンとマニュアル確認が必要なものを整理するなど、実運用の体験にフォーカスした機能であるため、お客様にも非常に喜んでいただいており、運用体験の向上を実感しています。
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2.IPアドレスの表示
次にご紹介したい事例は、IPアドレスの表示です。とあるセキュリティ部に所属するお客様より、「リスクが検出されている Virtual Machine について調査をする際に、IPアドレスの情報がわかると全体感が掴めて嬉しい」というお話をいただいたことがきっかけです。
こちらの機能リリースは、一見すると小さな変更点にも見えますが、ご紹介したいのはこのリリースに至るまでのプロセスです。実は、これは弊社のエンジニアがお客様の声を聞いてから 2 - 3 時間ほどで実現した機能なのです。お客様の声が我々の課題認識とマッチしていたことや、他のお客様の運用体験を向上させることにつながると判断し、極めて短期間で本番環境までのリリースを実現しました。
最初にお話をしてから数時間後にリリースの連絡を差し上げたので、お客様も大変驚いていました。私も非常に誇らしかったです。Cloudbase では、これからもこうした「サプライズ」を数多く生み出していきたいと考えています。
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3.脆弱性のコメント機能
最後に、脆弱性のリスクに対するコメント機能をご紹介します。こちらの機能開発は弊社の中でも仮説検証を行いながら進めていきました。まずは設定ミスのリスクに関してコメント機能の開発を行い、お客様に丁寧にご案内しながら実際に運用体験が改善されているかについて確認しました。その結果、十分に価値貢献がなされていると判断するに至り、また多くのお客様から「脆弱性でもコメント機能がぜひ欲しい」という声をいただいたため、スピーディに機能実装を行いました。
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Cloudbase ではお客様のお仕事をよりスムーズに、本質的にセキュリティリスクを解決することを追い求めてプロダクト開発を進めています。今回の事例ではその一端を共有しました。今後も、我々はお客様への提供価値の最大化に焦点を当て、お客様から日々学びながら共にプロダクトを成長させるパートナーとして歩んでまいります。
次回の記事では、Cloudbase のプロダクトを活用いただいているお客様に対して、プロダクトに閉じない形で価値の最大化を推進する、サポート組織についてご紹介いたします。