独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は7月31日、サポート詐欺レポートを公開した。
同レポートは、情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた偽セキュリティ警告(サポート詐欺)の相談内容や、IPA独自の調査・検証等で把握した内容をまとめたもの。
同レポートによると、サポート詐欺の相談件数は、2022年度が2,749件だったが、2023年度は4,521件と年度最高を更新、2024年4月は828件と月間最高を記録している。
2023年に見られた変化として、8月頃に数件の相談があったダイアログに電話番号を入力させ送信させる手口や、9月頃に数件の相談があったチャット画面が表示される手口を紹介している。チャットの手口では、有人対応のアダムと名乗るチャットオペレータが正確な日本語で、放置していてもしつこく語りかけてくる、電話番号を聞きたがるなどの特徴があった。
サポート詐欺でこれまでに確認されている電話番号は、050で始まるIP電話、010で始まる国際通話、080で始まる国内携帯電話があるが、2023年からは050(IP電話)だった番号が010(国際通話)に変化しており、完全には切り替わっていないが、現在は010がほとんどを占めている。080で始まる国内携帯電話は2024年4月22日に確認されている。
サポート詐欺の電話番号に電話をかけた場合の特徴は下記の通り。
・184(発信者番号非通知)でかけた場合
接続もされず、呼び出し音も鳴らない
呼び出し音のあと、すぐに切れる
オペレータとつながる
・184をつけず、発信者番号を通知してかけた場合
通話前に切断した場合(ワンギリ等)、折り返しかかってくる
通話中に切れた場合も折り返しかかってくる
・折り返しかかってくる番号
大半が番号非通知の表示
番号表示されているものも確認しているが、全て海外
・折り返しかかってきた番号(調査中に実例2件)
+82 2-22▲▲-▲▲▲▲(韓国)
+65 62■■-■■■■(インドネシア)
※2件とも010-1(アメリカ)にかけた直後であるため、かけた電話はアメリカから国外へ転送されている可能性が考えられる
同レポートはPDF59ページで構成され、その内容は下記の通り。
・サポート詐欺の手口
・安心相談窓口に寄せられている相談件数の推移
・本手口の実際の流れにおける変化と特徴
被害者が偽警告画面に接触する段階での変化
偽警告画面の変化
偽警告表示画面に施されている細工
電話番号の変化
オペレーターの対応
金銭的被害
・2024年から急激に増加している、偽警告画面を表示するサイトへ誘導する広告の状況
・IPAの取り組み