安全神話は本当か トレンドマイクロ「Linux 脅威レポート」 | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

安全神話は本当か トレンドマイクロ「Linux 脅威レポート」

トレンドマイクロは、「増加するLinux向けランサムウェア攻撃:2022年年間のLinuxにおける脅威動向分析」と題するブログ記事を公開した。

脆弱性と脅威
2022年にLinux OSを対象とした主なマルウェア(データ:SPN)
  • 2022年にLinux OSを対象とした主なマルウェア(データ:SPN)
  • 2022年にLinux OSを対象としたランサムウェア検出台数トップ10 (データ:SPN)
  • 2022年に最も悪用された脆弱性トップ3(データ:Trend Cloud One)

 トレンドマイクロ株式会社は9月21日、「増加するLinux向けランサムウェア攻撃:2022年年間のLinuxにおける脅威動向分析」と題するブログ記事を公開した。同社が公開した「2022年Linux脅威レポート」を紹介する内容となっている。

 Linuxは、個人用コンピューター、企業向けサーバ、クラウドインフラに広く採用されている一方で、多くの人々がLinuxはマルウェアに狙われにくいと考えている。しかし、実際にはLinuxシステムも攻撃対象となっている。

 現在、Linuxを狙う主なマルウェアには、ランサムウェア、コインマイナー、Webシェルが挙げられる。Linux向けランサムウェアの攻撃は、2022年初旬から2023年までに62%増加している。例えば、金融機関を対象としたKillDiskというランサムウェアがある。

 コインマイナーの攻撃例では、XMRigが一般向けのLinuxベースのアプリケーションに見られるセキュリティギャップを悪用しているほか、競合相手を削除する機能やリモートアクセストロイの木馬型マルウェア(RAT)としてのCHAOSなどもツールの一部として組み込まれている。

 Webシェルは、SQLインジェクションやファイルインクルージョン、コマンドインジェクションなどの脆弱性を悪用してインストールされるもので、これがサーバにインストールされると、サーバやネットワークを遠隔操作できるようになる。

 実際に悪用されている脆弱性の検出状況から、「CVE-2021-44228(Apache Log4jの脆弱性)」(32.5%)、「CVE-2017-12611およびCVE-2018-11776(Apache Strutsの脆弱性)」(それぞれ19.5%、19.4%)、「CVE-2022-26134(Atlassian Confluenceサーバおよびデータセンターに関するゼロデイ脆弱性)」、「CVE-2018-15473(すべてのLinuxおよびUnixプラットフォームに影響するOpenSSHの脆弱性)」が特定されている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

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