JNSA「特権ID管理ガイドライン 解説編」公開、インシデント事例など紹介 | ScanNetSecurity
2024.08.02(金)

JNSA「特権ID管理ガイドライン 解説編」公開、インシデント事例など紹介

JNSAは、「特権ID管理ガイドライン 解説編」を公開した。2016年度に発行した「エンタープライズにおける特権ID管理解説書(第1版)」の改定新版となるもの。

調査・レポート・白書・ガイドライン
「特権ID管理ガイドライン 解説編」

 特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は3月31日、「特権ID管理ガイドライン 解説編」を公開した。2016年度に発行した「エンタープライズにおける特権ID管理解説書(第1版)」の改定新版となるもの。

 解説書は、特権ID管理の重要性や捉え方、インシデント事例などを紹介する「解説編」と、実際に特権IDを行うための仕組みや運用方法について解説する「実践編」の2部構成となっている。実践編は制作でき次第公開予定。

 特権IDとは、文字通り特別な権利を持つIDであり、すべての権限(全権)あるいは全権に準ずる権限(高権限)を持つ。このため、システムに対するサイバー攻撃で攻撃者は特権の奪取を試みる。特権IDの管理は非常に重要だ。しかし、この分野について詳細に書かれた書籍はほとんどないという。

 JNSAでは解説書を、これから特権ID管理を導入する人にはプロジェクト推進の準備として、また特権ID管理システムを導入している人には、現在のプロジェクトをより良くするためのチェック・ヒント集として活用して欲しいとしている。

 マイクロソフトが2022年に公開した脆弱性のうち、ゼロデイで悪用のあった脆弱性の半数を「特権昇格」が占めていた。「リモートコード実行」(25%)や「セキュリティ機能のバイパス」(19%)といった一般に早急な対処が必要とされるリスクの高い脆弱性よりも、はるかに多くのゼロデイ攻撃が行われていることに注意したい。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

編集部おすすめの記事

特集

調査・レポート・白書・ガイドライン アクセスランキング

  1. サイバー攻撃を受けるとお金がかかる ~ JNSA「インシデント損害額調査レポート」

    サイバー攻撃を受けるとお金がかかる ~ JNSA「インシデント損害額調査レポート」

  2. デジタルサイネージ向けのセキュリティ点検ガイド公開

    デジタルサイネージ向けのセキュリティ点検ガイド公開

  3. 7月のフィッシング報告状況、「.cn ドメイン」のフィッシングメールを多く確認

    7月のフィッシング報告状況、「.cn ドメイン」のフィッシングメールを多く確認

  4. フィッシングサイトのドメイン「top」が最多、デジタルアーツ調査

  5. 日経225企業 9割 DMARC導入も「quarantine」「reject」設定は 26.8%、ワンクリック購読解除利用率は 77.7%

  6. ペイメントアプリケーションの改ざんに関する概説と対策を解説

  7. 迷惑メール対策推進協議会「送信ドメイン認証技術 DMARC導入ガイドライン」公表

  8. JIPDEC「個人情報取扱い事故報告」2022年版、最多原因「手順やルールに違反した作業や操作」

  9. フィッシングサイトのドメイン「workers.dev 」急増、デジタルアーツ調査

  10. 「Firebase」についての調査結果を公表、約1割にアプリ開発者の誤設定を確認

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×