株式会社ラックは2月6日、イスラエルのSygnia Consulting Ltd.と原因究明調査・復旧など、インシデントレスポンス分野における業務提携を締結したと発表した。
同社のサイバー救急センターで2022年に対応したセキュリティ事故は、過去最多の476件を記録する一方、サイバー攻撃が増加する時期にサイバー救急センターへの相談が集中するため、事故対応を断らざるを得ないケースが発生しているという。
同社のサイバー救急センターでは、インシデントレスポンスにおける全工程を自社内で迅速に実行すること目指し、インシデント対応技術と対応スピードの向上を実現するために、高度な技術を有するSygnia社と相互の技術提携を進める。
両社の業務提携では、下記の3点に取り組む。
1.インシデント対応ツールとオペレーションの統合的な技術開発
Sygnia社が独自開発したクラウドを含む多様な環境に対応可能なインシデント対応支援ツール「VEROCITY XDR」(非商用ツール)を、ラックの事故対応業務に用いフィードバックを両社で検証し、事故対応オペレーションの技術面の改善・最適化を目指す。
2.海外サプライチェーン企業のインシデント対応における協業
ラックでは、Sygnia社の北米、ヨーロッパ、東南アジアなど主要な地域拠点との連携することで、国内企業の海外サプライチェーン組織で発生したサイバーセキュリティ事故対応における協業体制の構築について検討を進める。
3.新たな製品ソリューション、セキュリティサービスの共同開発
両社間での相互の技術情報の提供によって新たなセキュリティ対策ソリューションの共同開発、インシデントレスポンスにおける事前契約型リテーナーサービスなど、新たな事業の創出を目指す。