総務省ら、クレジットカード会社等にDMARCの導入を要請 | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

総務省ら、クレジットカード会社等にDMARCの導入を要請

総務省、警察庁、経済産業省は、「クレジットカード会社等に対するフィッシング対策強化の要請」を発表した。

製品・サービス・業界動向
DMARCの仕組み

 総務省、警察庁、経済産業省は2月1日、「クレジットカード会社等に対するフィッシング対策強化の要請」を発表した。クレジットカード番号等の不正利用の原因の一つであるフィッシング被害が増加していることを受けたもの。

 フィッシングによるクレジットカード番号等の詐取は、クレジットカード番号等の不正利用の一因となっており、利用者保護の観点から、クレジットカード会社等において適切な対応が取られることが求められるとしている。

 適切な対応として、総務省らは送信ドメイン認証技術の一つであるDMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)の導入を勧めている。フィッシングメールがドメイン名をなりすまして送信されることが多く、送信ドメイン認証技術のうちフィッシングメール対策に特に有効とされているためだ。

 クレジットカード会社等においてはDMARCを導入し、ドメイン名のなりすましを検出するとともに、自社を騙るフィッシングメールが利用者に届かなくなるよう利用者の受信を制限することが重要としている。

 現在、DMARCの導入企業は増加しており、半数以上という調査結果も発表されいる。しかし、DMARCにはnone、quarantine、rejectの3つのポリシーがあり、認証のみでメールを受信箱に届ける「none」ではDMARC導入の意味がない。導入企業の多くが「none」のままで運用している可能性もある。

 DMARCを導入するのであれば、隔離や迷惑メールフォルダに入れる「quarantine」や、認証に失敗したメールを破棄する「reject」を適用してこそ効果が見込める。ただし、これらのポリシーを適用するには1~2年の検証期間が必要となるため、それを見越した導入を呼びかけるべきであろう。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

特集

製品・サービス・業界動向 アクセスランキング

  1. 度を超えたハラスメント行為者 セガ従業員に損害賠償支払い

    度を超えたハラスメント行為者 セガ従業員に損害賠償支払い

  2. マクニカネットワークスが忘れない CrowdStrike 三つのエピソード

    マクニカネットワークスが忘れない CrowdStrike 三つのエピソード

  3. デロイトと JFEスチール、サイバーセキュリティの合弁会社設立

    デロイトと JFEスチール、サイバーセキュリティの合弁会社設立

  4. 大阪の奇跡「純国産SOCサービス」セキュアヴェイル、垂直統合までの20年

  5. GMOイエラエ、カルチャーデック公開

  6. ジョン・マカフィーの死から三年、新CEOにクレイグ・バウンディ氏

  7. 日本規格協会、ISO / IEC 27002 の改訂を受け「JIS Q 27002:2024」発行

  8. GMOイエラエ「ホワイト企業認定」最高ランクのプラチナ取得 三回目

  9. 人を標的とした脅威から守るために ~ KnowBe4 が Egress 買収

  10. 映画製作委員会への出資で得る権利をセキュリティ・トークン化して小口販売

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×