Amazon Web Services(AWS)が、他のテクノロジー企業と同様に、「ウォーターポジティブ」を達成するための取り組みを始める。こうした企業は、貴重な水資源を事業で消費した量以上に地域社会へと還すことを目指している。
ラスベガスで開かれたカンファレンス「re:Invent」で今回の発表を行った AWS は(水に関する発表をラスベガスという非常に乾燥した都市で行うというのは皮肉である)、2030 年までにウォーターポジティブを達成する意向だと述べた。Intel、Meta、Google、Microsoft などの企業は先んじてウォーターポジティブの取り組みを行っており、AWS はそれに続くこととなった。
AWS によれば、同社は既にウォーターポジティブを達成するために動きだしており、進捗状況について毎年報告を行うという。報告では、水利用効率の計測法、リサイクルの取り組み、施設における水消費量を減らすための活動に関する詳細や、新規および現行の水資源補充プロジェクトに関する最新情報について伝えていくという。
「ウォーターポジティブ」は比較的新しい言葉であるが、それが何を意味するかについては正式な定義があるわけではない。雨水を蓄えるといった技術を指すこともあれば、排水を再利用できるようにする処理のことを指すこともある。しかし、真にウォーターポジティブが達成できているかどうかの基準は、自然へと消費した以上の量の水を戻し、特定の地域の水の量をポジティブ、すなわちプラスにできるかどうかということにある。
オックスフォード大学のデビッド・マイトンが昨年出版した論文によれば、アメリカ国内にあるデータセンターが消費する水の量は1日あたり17億リットルだという。これは全体の水消費量(1 日あたり 1 兆 2,180 億リットル)と比べれば些細なものだ。しかし、水消費量を実際に計測しているデータセンター事業者のうち、およそ 3 社に 1 社は正直に情報を公開していないと、マイトンは述べている。
AWS はウォーターポジティブ達成のための取り組みにおける 4 つの柱を打ち出している。