米国のミシガン大学と中国の浙江大学の研究者らが、注意を呼びかけている。メガネをかけた状態で動画会議に参加すると、ディスプレイに映る機微情報がメガネに反射して意図せず流出してしまうことがあるというのだ。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってリモートワークが増えるにつれ、動画会議が一般に普及した。今回の研究を行った研究者らは、それによってプライバシーやセキュリティにどのような問題が生じているかにさらに注目が必要だと主張しており、メガネの反射を盗み見るという特異な攻撃手法に着目してきた。
ArXiv で公開の論文「Private Eye: On the Limits of Textual Screen Peeking via Eyeglass Reflections in Video Conferencing(偵察:動画中のメガネの反射像を通して、画面上のテキストをどれほど盗み見ることが可能か)」のなかで、研究者のヤン・ロング、チェン・ヤン、シリン・シャオ、シヴァン・プラサド、ウェンユアン・シュー、およびケヴィン・フーは、メガネのレンズに反射した動画スクリーンの像を分析した。
「本論文では、一連の動画フレームを対象にマルチフレーム超解像技術を適用する光学的攻撃に基づく、実際に使用される可能性がある脅威モデルに関して、調査およびその特徴の記述を行う」と、この論文を執筆したコンピュータ科学者は説明している。
「我々が作成した複数のモデル、および統制下の実験室環境での実験結果は、720 p の Webカメラの動画から、画面上で高さ 10 mm しかないテキストを、75 %を超える正確性で再構築して認識することが可能であることを示している」