情報セキュリティ教育事業者連絡会(ISEPA)は7月26日、JTAGキャリアデザインワーキンググループ報告書「JTAG認定ワーキンググループ金融版検討 概要版(トライアル結果)」を公表した。
JTAG活動は2017年7月に、JNSA の情報セキュリティ教育事業者連絡会(ISEPA)のもとでスタートし、現在は一般財団法人日本サイバーセキュリティ人材キャリア支援協会(JTAG財団)と両輪で、サイバーセキュリティ人材の育成・流動化を推進し、セキュリティ対策における人的課題の解決に寄与することを目指し取り組みを進めている。
ISEPA JTAG認定ワーキンググループでは2021年から、スキル可視化アセスメントに際して業界による業務特性の考慮が必要か、実際に活用する場合に業界ごとの使い方の工夫などの調査・検討を目的に、金融業界有志と共同で活動している。
本報告書では、参加希望金融機関14社に対しJTAG財団のスキル可視化ツール「VisuMe」によるスキル測定を実施し、客観的な現状のスキルレベルと目標キャリアに向けての過不足を把握している。またアンケートを実施し28名から回答を得ている。
トライアル結果によると、金融機関のセキュリティ人材は平均年齢は比較的高いが、他業界に比べてもハイスペックな人財が集まり、業界内で教育・育成する仕組みも充実していることが明らかとなった。その一方で、大規模金融機関と中小金融機関では人材面での格差が浮き彫りとなった。
またアンケート結果から、セキュリティ専任部署がある組織は半分以下で、セキュリティ業務以外との兼任者が多いことが判明した。全体の70%弱がセキュリティ人材が不足と回答している。