「テクカン2022」開催、セキュリティ製品ひしめく現代 セキュリティ担当者サバイバルガイド解説 | ScanNetSecurity
2024.03.19(火)

「テクカン2022」開催、セキュリティ製品ひしめく現代 セキュリティ担当者サバイバルガイド解説

「テクカン2022」の「テクカン」が何の略か言い当てられる読者はまずいないと断言できる。記者がその一人だった。取材が始まってしばらく経過したところで「あ…。これ『テクノロジーカンファレンス』の略じゃないんだ…」そう気づいたとき記者の背筋を戦慄が走った。

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 「テクカン2022」

 突然そう言われても「テクカン」がいったい何の略なのか、正しく言い当てられる読者はまずいないと断言できる。まずもって記者がその一人だったからだ。

 取材が始まって 3 分か 5 分ぐらい経過したところで「あ…。これ『テクノロジーカンファレンス』の略じゃないんだ…」そう気づいたとき背筋を走った戦慄を思い起こしながらこの記事を書いている。「まだバレてない」「まだバレてはいない」すぐにそう思い返し、気を強く持ちなおして、顔色を変えず何食わぬ面持ちで最後まで取材を続けたことはいうまでもない。

 2022 年 7 月 12 日から 14 日までの 3 日間にわたってオンライン開催される、この知られざるテクノロジーカンファレンス、もとい「テクマトリックス カンファレンス」について編集部が取材した。

 テクマトリックス株式会社は、1980 年代半ばに創業。40 年近い歴史と実績を持ち、今夏「テクカン2022」を企画・開催する。同社ネットワーク事業部は、セキュリティ領域で計 9 つのカテゴリーに総数 20 弱のセキュリティ製品を主に一次代理店として取り扱っている。いずれも先端領域のハイブランド製品ばかりだ。

 ここ数年同事業部は、製品横断的に共通する、ある悩みを抱えていたという。

 それは、せっかく優れたセキュリティ製品を顧客が導入しても「現場で運用できない」「使いこなせない」という課題である。仕様や機能一覧に基づいて選んではみたのだが、既存環境に微妙に合わなかったり、運用が追いつかなかったり等々、やろうと思っていたことができなくて不完全燃焼感が否めないケースを見ることが増えたという。

 かつてセキュリティ製品は、特定のセキュリティ課題をピンポイントで解決する、一芸に秀でたネタ芸人(ギャグや漫才などのストックコンテンツを実演し評価される芸人)的な製品が多かった。

 しかし、ビジネスの価値がデジタルの世界から生み出されるようになって、ポイントセキュリティ的な部分最適化だけではなく、顧客のシステムや事業全体を俯瞰した、全体最適化の視点がセキュリティ製品にも求められるようになった。

 また、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代のビジネスを支える大事なインフラとして、多少の雨風ではびくともしないような盤石な財務基盤が、セキュリティ企業にも求められるようになってきた。巨人 McAfee と FireEye が融合して誕生した Trellix など、ちょっと考えればいくつもそういう例を思い出すだろう。

 ビジネス全体に目配りしながら企業のデジタルトランスフォーメーションを支えるという、いわば、鉄板ネタで爆笑を取るネタ芸人より一次元上の、帯番組の司会者・MC的な成熟した役割がセキュリティ企業に求められるようになった。

 これによって必然的に、優れたセキュリティプロダクトの多くは、帯番組の司会者のように変化成熟していくことになる。簡単に言えば全てがPになる。すなわち、優秀なセキュリティ製品の多くが、総合セキュリティ「プラットフォーム」化する道をたどることになった。

 これ自体はとてもいいことなのだが、問題があったのは、結果的にどれもこれも似たようなセキュリティプラットフォームが続々と誕生してしまったことだ。たとえば EDR ひとつにしても、テクマトリックスが扱うものだけで Vectra、Tanium、SentinelOne と三つも強力な製品が存在する。それぞれ個性はあるものの似た機能も少なくない。

 セキュリティ製品を一度導入すれば、その後長く、時につらい運用を共にしていくことになる。そんな日々の運用のバディとなるものだから、単に値引き額や営業担当者との相性などだけで決めたりすると、ゆくゆくあまりいいことがない。

 この課題を解決せんと企画されたのが「テクカン2022」である。

 テクマトリックスは、古くは SecurID、近年は次世代ファイアウォール等を中心とする Palo Alto 製品などを、国内最大規模に売りまくり、日本企業を守ってきた。

 単に製品導入だけでなく、日々ユーザー企業が直面する数多のトラブルにも的確に対応し続けてきた。また、ときには、日本企業の運用現場から出された新しい機能追加の要望などを、ナンバーワンディストリビューターだけが持つ力を駆使してベンダに通したことも一度や二度ではない。

 特にトラブル発生時の対応がふるっている。テクマトリックスは、「一次解決率」及び「自己解決率」の高さで(註)他のセキュリティ商社より抜きん出ていると、セキュリティベンダからも評価されている。

(註)一次解決率:問い合わせに対してテクマトリックスがたった一度回答してそれで課題が解決しクローズとなった率

(註 2)自己解決率:さすがに一回の回答で解決はしなかったものの、ベンダにまったく頼らずに、テクマトリックスが自力だけで顧客のトラブルを完全解決できた率

 顧客からだけでなくベンダからも感謝され頼られる存在。しかし一次解決率だの自己解決率だのそんな地味な数字ちっとも表に出て来やしないから、外から見るとひとつも華がない。これはなんとも最高である。日頃から本誌はこういう企業をこそ取材したいと思っている。

 「テクカン2022」、ここまで来ればもうおわかりいただけたと思うが「テクマトリックス カンファレンス 2022」は、7 月 12 日 (火) から 7 月 14 日 (木) まで 3 日間にわたってオンラインで開催される。登録は無料。

 開催時刻は各日午前 10 時から 15 時 15 分まで。それぞれ朝一で 40 分の基調講演があり、以降平均約 30 分 1 コマのテクマトリックスの知見をつまびらかにする講演が行われる。

 基調講演の内訳は、7 月 12 日 (火) がリサーチ会社の株式会社アイ・ティ・アール(ITR) 、13 日 (水) が独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、14 日 (木) が株式会社資生堂だ。

 IT 領域に強いリサーチ会社 ITR による総論的な動向解説と、専門セキュリティ機関 IPA による脅威動向や独自情報、そして先進ユーザー企業の情報セキュリティ部門による珠玉のような他社事例の講演と、三者三様のキーノートは、時間を捻出してでも聞いておいていいだろう。

 技術/製品のセッションは、各自関心があるものを選んでいただくとして、先ほど述べたように、関心のある製品カテゴリーについて複数の公演があった場合は、どれかひとつではなく、あえて複数聴講することをおすすめする。テクマトリックスならではの「横串の知見」が得られるだろうからだ。

テクマトリックスカンファレンス2022 日程・アジェンダ

■■ 7 月 12 日 (火)
基調講演「ゼロトラストアーキテクチャによるデジタルインフラストラクチャの構築」
株式会社アイ・ティ・アール
コンサルティング・フェロー
藤 俊満 氏

■テクノロジーテーマ「ネットワーク/ゼロトラスト」

■製品
Palo Alto Networks PRISMA SD-WAN
Skyhigh Security Service Edge
Appgate
F5 Distributed Cloud Web Application and API Protection(F5 WAAP)
RSA SecurID Access

■■ 7 月 13 日 (水)
基調講演「(仮)DX推進を実現するサイバーセキュリティアーキテクチャ」
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
産業サイバーセキュリティセンター(ICSCoE)
専門委員(非常勤)
CISSP
佐々木 弘志 氏

■テクノロジーテーマ「エンドポイントセキュリティ/コンテナセキュリティ」

■製品
NGINX
Tanium
Vectra AI
Votiro Disarmer API
SentinelOne
テクマトリックス NEO

■■ 7 月 14 日(木)
基調講演「(仮)ポストコロナを見据えたセキュリティオペレーション」
株式会社資生堂
情報セキュリティ部 マネージャー
藤井 正浩 氏

■テクノロジーテーマ「SoC/SOAR/ストレージ/HCI」

■製品
PSAT(Proofpoint Security Awareness Training)
Palo Alto Networks Cortex Xpanse
TechMatrix Premium Support powered by TRINITY
Dell EMC PowerScale (アイシロン)
Cohesity

《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》

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