アクロニス・ジャパン株式会社は10月20日、サイバーセキュリティを取り巻く最新の状況や世界的なパンデミックの真っ只中にある企業やリモートワーカーが直面する問題を包括的にまとめた「Acronis Cyber Readiness Report」を発表した。同社が2021年に、日本を含む世界18か国の中小規模企業に勤める3,600人のIT管理者及びリモートワーカーを対象に独自調査を実施し、その結果に基づいて作成している。 同レポートによると、Kaseya社やSolarWinds社といった信頼性の高いソフトウェアベンダーへの攻撃が世界中で確認されたにもかかわらず、ITリーダーの53%が「有名な信頼できるソフトウェア」を使用しているため、サプライチェーン攻撃から保護されていると回答しており、IT担当者の認識不足や誤ったセキュリティ意識のために、サイバー犯罪者の格好の標的となっており、世界の53%の企業がサプライチェーンの攻撃に晒されていると指摘している。 また昨年の調査と同様に、10社のうち3社が少なくとも1日に1回はサイバー攻撃を受けていると回答する一方、全く攻撃を受けていないと回答した企業は2020年の32%と比べ20%に減少しており、攻撃件数の増加を意味するとしている。 フィッシングやマルウェアを含む一般的な攻撃タイプはすでに過去最高の水準に達し、回答者の58%がフィッシング攻撃に遭ったと回答、マルウェアによる攻撃件数も2020年の22.2%から増加し、今年は36.5%の企業がマルウェアを検出していると回答している。 フィッシングの急増に伴い、URLフィルタリングソリューションの需要は2020年から10倍に増加したが、ビジネスにおけるフィッシングの危険性を認識しているのは、世界中の企業の20%に過ぎないとしている。 アクロニスのサイバープロテクション研究所担当バイスプレジデントを務めるキャンディッド・ヴュースト氏は「(前略)ITインフラの複雑さが増したことで、組織はそうした脅威に対して迅速な対応ができていません。(後略)」と述べている。