オリンピックを控えた東京都内の主要駅に、まるでアメコミのようにポップなイラストを用いた巨大な広告が掲出されました。メッセージは極めてシンプル。「 We stop breaches. 」「 They can't attack what they can't escape 」とあるのみ。イラストに描かれた人物は小さな黒板のようなボードを胸の前に掲げながらこちらを見つめており、一抹の不気味さが漂っています。
IBM や NTTコミュニケーションズなど、総合 IT 企業が、ブランディングのために交通広告を掲載することは見かける光景ですが、セキュリティ企業が、しかも、B2B 向けサービスを主体とした企業が、こういった広告を出す例はほとんどありません。この広告を掲載したクラウドストライク株式会社に話を聞きました。
クラウドストライクは 2011 年に設立、現在の時価総額は 5.5 兆円、アメリカを代表するセキュリティ企業の一つです。EDR(Endpoint Detection and Response)などのさまざまな製品やサービスを提供する中でも、彼らが力を入れているのが「アクター」などと呼ばれる、サイバー攻撃を行う犯罪集団の研究と分析、そして対策の提案です。
同社のアプローチの大きな特徴のひとつが、視覚的わかりやすさをとことん追求していることです。ロシアのサイバー攻撃者はクマ( Bear )、中国はパンダ( Panda )など、その国を象徴する動物の名前をつけて、それに基づくキャラクターデザインを行い、主要なサイバー攻撃組織を擬人化・視覚化しているのです。