通常の IT 投資は、要件定義を行い、開発を経て、導入するまでがクライマックスで、導入後はユーザー教育を行い粛々と運用していくことになる。
一方でセキュリティはこれと大きく異なり、運用に入ってからがクライマックスであり本番だ。通常の IT でも運用場面でさまざまな課題は発生する。しかし、システムの隙を突くために悪意をもってお金と時間をかけて知力を尽くし仕掛けてくるサイバー攻撃とは質が異なる。感染やインシデント発生など、セキュリティ運用のクライマックスは終わることがない。
●常に新しいもの
今回の講演のスピーカーである菊川氏はこれを「サイバー攻撃は毎回新しい」という言葉で表す。
ある程度の対策をしていたら一度遭遇した攻撃は二度目には防御できる場合も多い。また、もし同じマルウェアが使われたとしても、たとえば日本のパスワード付き ZIP ファイルの習慣に適応した Emotet のように、サイバー攻撃は毎度毎度フレッシュな創意工夫が行われるということだ。