国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は9月14日、「NICTER観測統計 - 2020年4月~6月」を発表した。NICTサイバーセキュリティ研究所は、NICTERプロジェクトにおいて大規模サイバー攻撃観測網(ダークネット観測網)を構築し、2005年からサイバー攻撃関連通信の観測を続けている。今回のレポートは、2020年第2四半期(4月1日~6月30日)の観測結果となっている。同四半期には、合計1,340億パケットのサイバー攻撃関連通信を観測しており、1IPアドレスあたりのパケット数は49万2,456となった。2020年第1四半期の数値を上回る結果となっており、第1、第2四半期の合計は2018年の年間総数を超えている。IoT機器を主な攻撃対象とするマルウェア「Mirai」と「Hajime」に関連する攻撃ホスト数の日ごとの推移では、5月10日~19日頃にベトナム、台湾、日本で大幅なホスト数の上昇がみられた。宛先ポート番号別の集計(調査目的のスキャンパケットを除く)では、Webカメラなどに使用される「23/TCP」が15.7%を占め、Windowsサーバサービスに使用される「445/TCP」(4.1%)、Webサーバ(HTTP)およびIoT機器(管理画面)に使用される「80/TCP」(3.1%)、NAS製品のログイン画面などに使用される「8080/TCP」(2.2%)と続いた。同四半期に観測した事象については、「Hoaxcalls Botnet(XTC Botnet)の活動」「ZyXEL社製CNM SecuManager製品の脆弱性(CVE-2020-15312~CVE-2020-15348)」「GPONルーターへのコマンドインジェクション」「SaltStack Salt の脆弱性(CVE-2020-11651,CVE-2020-11652)」について分析結果を詳しく紹介している。
Microsoft Windows の Windows Update Orchestrator Service におけるCOM API への権限制御不備により管理者権限への昇格が可能となる脆弱性(Scan Tech Report)2020.9.10 Thu 8:10