現在 CyCraft はアジアパシフィック地域の約 300 の会社や組織にサービスを提供する。300 社の半分が NGO で、NGO へのサービス提供は無料だという。70 名で 300 社に対して、品質を担保したサービスを提供できるのは AI を活用できているからだ。今後、セキュアブレインと連携し、日本市場にも AI による自動化サービスを提供していく。
CyCraft の現在の AI 開発の課題のひとつがスピードだ。たとえ侵入されても、攻撃者が次のステップに移る前に発見し対応できるスピードを獲得したい。また将来的に、次世代 AI として AI が自分で自分を修正できるようになったり、自分で自分を開発できるようになる、そんな新しいフェーズを夢見る。
AI は人間の仕事を奪うのではなく人間と協働し、社会と人間の生活を豊かにするのがベンソンの考える AI だ。「 AI を使って進化を続けていたら奇跡が作られる(ベンソン)」
● Black Hat の常連
CyCraft の研究水準はすでに充分といってよいほどの国際的評価を得ている。
ベンソンや仲間たちが、2010 年と 2013 年に世界最高峰のセキュリティカンファレンス Black Hat USA Briefings に登壇した他、つい先日の 8 月 7 日にも、今年史上初オンラインで開催された Black Hat USA 2020 で、CyCraft の研究チームがアジア圏の APT の研究成果についての発表を行ったばかり。Black Hat USA Briefings に登壇するだけでプレスリリースが打たれる状況下の日本にとっては、うらやましい限りだ。
CyCraft メンバーは DEF CON CTF での優れた戦績も残している他、アジア最大級のセキュリティカンファレンス HITCON の創設にも関わった。まさに台湾最強のハッカー集団でもある。