国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は2月10日、「NICTER観測レポート2019」を発表した。NICTサイバーセキュリティ研究所は、NICTERプロジェクトにおいて大規模サイバー攻撃観測網(ダークネット観測網)を構築し、2005年からサイバー攻撃関連通信の観測を続けている。2019年、ダークネット観測網(約30万IPアドレス)には、合計3,279億パケット(2018年は2,121億パケット)のサイバー攻撃関連通信を観測。これは1IPアドレスあたり約120万パケット(同:約79万パケット)が届いたことになる。宛先ポート番号では、WebカメラなどのIoT機器に使用される「23/TCP」が24.2%を占め、Windowsサーバサービスに使用される「445/TCP」(5.4%)、モバイルルータやSSH認証サーバに使用される「22/TCP」(3.5%)、Webサーバ(HTTP)およびIoT機器(管理画面)に使用される「80/TCP」(3.2%)と続いた。トップ10のポートが全体に対する割合は、2018年の46%から2019年は49%へとわずかに増加した。その原因は、Telnet「23/TCP」を狙った攻撃パケット数が294億パケットから364億パケットへと大きく減少したことが理由としている。その他のポート(Other Ports)の占める割合は全体の半数以上を占めるが、IoT機器で使用されるポート(機器のWeb管理インタフェース用ポートやUPnP関連ポート、機器に固有のサービス用ポートなど)が多数含まれており、それらのポートを合わせると、全体の約半数がIoT機器で動作するサービスや脆弱性を狙った攻撃になるという。