KOOV(R)を使用した「親子でプログラミング」レポート(トレンドマイクロ) 2ページ目 | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

KOOV(R)を使用した「親子でプログラミング」レポート(トレンドマイクロ)

 まもなく小学校で必修化となるプログラミング教育は保護者の関心も高い。セキュリティソフト「ウイルスバスター」で知られるトレンドマイクロが、KOOVでロボット・プログラミングを体験する親子ワークショップを開催。“楽しい”を入口にネットリテラシーを伝えた。

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“楽しい”を原点にその先を考える



--ワークショップを終えた直後ですが、率直な感想はいかがでしょうか。

丸尾氏:私たちスタッフもKOOVを試してから臨みましたが、子どもたちが組み立てにもっと手こずると想定していました。実際は想像以上にスピードが早くてクオリティも高く驚きました。あれほどの作品を時間内に完成できるとは思っていませんでした。ブロックはいつの時代もやはり子どもたちを惹きつけるということを実感しました。

安藤氏:複数名で1つのものを協力して作ったチームもあれば、各自が制作したものを、途中や終盤で合体させるというアプローチもありました。ひとりひとりのパーソナリティから自然に創作に入ることができて、子どもも保護者も熱量が高かったですね。

--今回のKOOVを用いたワークショップは新しい試みでしたが、どのようなきっかけからこの企画が生まれたのでしょうか。

丸尾氏:以前から新しいコンテンツを増やしもっと充実させたいと思っていました。安藤さんとはあるイベントでご縁があり、KOOVを使って、これまでとは違う形で親子ワークショップを行うことで、両者の思いがこれまで届いていなかった方々に届けられたら、とても意味があると考えました。

安藤氏:トレンドマイクロさんは体験だけで終わらずに、しっかりリテラシーを説明して考えてもらう機会を用意しています。そこまで考えている方たちと何か一緒にできれば、充実した体験を提供できると思いました。KOOVには、作品を投稿するSNSの機能があり、子どもたちのリテラシーも大事にしています。小学校低学年にはSNSは少し早いかもしれませんが、早い段階で理解を深めるのは良いことだと思います。

--ワークショップの目的や教育効果について教えてください。

安藤氏:ワークショップはプログラミング学習の入り口です。そのため「プログラミングを身近に、そして楽しいと感じてもらう」ことを一番に考えました。主体性があるか否かは、学習結果に大きな違いを生み出しますので、今回はもっとも身近な“家族”の悩みを解決するというミッションにして、ワクワクしてもらえるように「ロボット人間をつくろう」というテーマにしました。

丸尾氏:“楽しい”というのがキーワードですよね。私たちもデジタル活用を楽しんで学ぶという大きなテーマからこのワークショップを3年前からスタートしました。子どもたちに、デジタルテクノロジーの本来の活用の意味や目的を伝え、どうやって安全に健全に活用していくのか、というメッセージを、KOOVやScratchなどさまざまなテクノロジーを楽しむことと組み合わせて伝えています。

--教育改革によりプログラミングが入ります。期待することはありますか。

安藤氏:保護者の方々のアクションです。まずは保護者が子どもたちと一緒に体験して、こうした新しい学びの機会を子どもたちに授けていってもらいたいと思っています。必修化で学校教育も変わろうとしていますがプログラミング教育は、型にはまらない創造的な考え方を育むものであるべきだと信じています。

 創造性や思考様式、価値観といったものは、一朝一夕では身に付けられないので、小学生のうちから継続性をもって学ぶ機会を与えてあげて、みんなが同じゴールを目指す必要はない、というマインドセットを子どもたちが獲得してくれたらと思います。

  私たちも、トレンドマイクロさんのような企業や、学校、塾などの教育事業者との連携をさらに深めて、より多くの、そして多様な学習機会を提供していきたいと考えています。幼児から中高校生までの幅広い年代にも使ってもらえるようにコンテンツを拡充していく予定です。子どもたちには、身の回りや新しいものに対して好奇心をもって、自分から知ろう、見ようとしてもらいたいと思っています。未知の物事や難しい問題に対してネガティブに捉えるのではなく、興味をもって主体的に関わってもらいたい。そうすることで「未来にワクワクできる人」「ワクワクする未来を創造できる人」になってもらえたらと願っています。

丸尾氏:今、お話しがあった保護者の方々や大人のアクションということですと、最後の振り返りでのメッセージは、子どもだけが気をつ付けなければいけないと捉えられてしまうかもしれませんが、実はそうではないんです。スマホ依存や歩きスマホ、フィッシング詐欺に引っかかるのも子どもばかりではありませんよね。

 プログラミング教育の必修化というタイミングで、保護者や社会の関心も高まっています。プログラミングを通じて、子どもと大人が一緒に、デジタルテクノロジーとの付き合い方を考えることが、子どもたちのデジタルトラブルを解決していくことに繋がるのではないでしょうか。 

左から、ソニー・グローバルエデュケーション安藤氏、トレンドマイクロ丸尾氏左から、ソニー・グローバルエデュケーション安藤氏、トレンドマイクロ丸尾氏

--今後の展望を教えてください。

丸尾氏:今回、ソニー・グローバルエデュケーションさんと一緒にワークショップを開催させていただいたように、今後も、色々な企業や教育関係の方々とコラボして、活動を広げていけたらと考えています。

 一企業でできることには限界があると思います。それは、ご家庭や学校でも同様ではないでしょうか。そして、安全で健全な活用は、子どもたち同士、保護者を含めた周りの大人、つまりは、他者との関わりを通じて身に着くものです。ご家庭をはじめとして、子どもたちに関わる団体や企業が集まり、安全で健全なデジタルライフについてそれぞれが考え、楽しく学べる場を作っていきたいです。

  その一端として、今年の夏からは「プログラミング部」という活動もはじめました。決まったテーマはなく、子どもたち同士で、自由にプログラミングやデジタルの楽しさを学ぶ場になります。こちらでも、デジタル活用において、必要なリテラシーやモラル、セキュリティについて、参加者全員で考えるワークショップを実施しています。今後も、色々な企業や有識者の方ともコラボしながら、安全で健全なデジタルライフについて、子どもも大人も楽しく考えられる場づくりにチャレンジしていきます。

--ありがとうございました。

 子どもたちのデジタル活用に伴うリテラシーやモラルは、数多くの問題点が指摘されており、不安視する保護者も多いだろう。しかし、今回の取材で感じたのは、まず親子が一緒に考えて行動することの大切さだ。プログラミング体験だけでは終わらない「親子で考えるリテラシー教育」を含めた親子ワークショップのさらなる進化に期待したい。

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《佐久間武@リセマム》

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