――3月9日(金)15時10分からの山田さんの講演「事例から見る、セキュリティ・ファブリックの実現~クラウドからIoTまで保護する情報セキュリティ基盤とは」のテーマとなる「フォーティネット・セキュリティ・ファブリック」について教えてください。山田氏:セキュリティ・ファブリックは当社が掲げるネットワークセキュリティの考え方で、ポイントは3つあります。1つ目は「BROAD(カバレッジの広さ)」。今まではインターネットの入口を防御すればよかったですが、スマートデバイスやクラウドの台頭で、境界防御の考え方は通用しなくなってきました。こうした課題に対して、当社は幅広い製品ラインナップで課題にお応えすることが可能です。2つ目は「INTEGRATED(統合化)」です。クラウドやWebアプリケーション、メールなどのアプリケーションレイヤーを狙う脅威に対して、単機能セキュリティ製品で局所的に保護しても意味がありません。セキュリティ・ファブリックは統合されたセキュリティ機能を提供、最新の脅威から情報資産を保護します。3つ目は「AUTOMATED(自動化)」。ネットワークの可視化と保護を、システム同士が連携して自動処理します。これらをアプライアンスや仮想マシン、ホスティング、クラウド、ソフトウエアなど、様々なプラットフォームで提供していきます。――講演では、どんな国内事例が紹介されますか。山田氏:大きく2つの事例をご紹介します。1つは、クラウドで、Office 365のようなクラウドアプリケーションを導入する際のネットワークおよびセキュリティの課題解決策を、事例を交えながらご紹介します。たとえば、Office 365でアプリケーションをクラウドに移行して、発生したネットワークの課題を解決したいというニーズに対し、Microsoft Azure上にFortiGateを「Office365用Proxy」として構築した事例をご紹介します。2つ目は、「セキュアSD-LAN」で、ネットワークの継ぎ接ぎ拡張や、マルチベンダー構成により、ネットワークの可視化やセグメンテーションが要件となっていた企業の事例です。セキュリティの強化とネットワークの可視化、運用負荷低減を実現するため、セキュリティゲートウェイからアクセスネットワークまでを「セキュアSD-LAN」で構築し、セキュリティポリシーの一元管理やエンドポイントの状態把握などを、ソフトウェアデファインドで可能にしました。――来場を考えている人に何かメッセージはありますか。山田氏:上記の2つの事例を通じ、現在まさにその課題に直面している企業にはそのヒントを、これから同様の構成で導入を考えている企業には事前の確認ポイントを示すことができると思います。セキュリティ担当者だけでなくSIベンダーの方向けにもご提案の幅が拡がるお話ができればと思います。――ありがとうございました。