独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は1月26日、「サイバー情報共有イニシアティブ」(J-CSIP)において、去る12月1日に新設した自動車業界SIGを同日より正式に運用開始したと発表した。また、2015年度第3四半期(10月~12月)の運用状況も公表している。J-CSIPは、国内の重要産業・重要インフラ関連組織間において標的型攻撃などのサイバー攻撃の情報共有を相互に行い、即応的かつ高度な対策につなげる取り組みとして、IPAが2011年10月に発足させた。これまでの試験運用から、今回情報共有の正式運用を開始した「自動車業界SIG」は、自動車関連企業・団体の計10組織から構成される。また、第3四半期に化学業界SIGに新たに1組織が参加し18組織となったことで、J-CSIP全体では7つの業界(SIG)、72の参加組織(計11組織追加)の体制となった。2015年度第3四半期の運用状況では、J-CSIP参加組織からIPAに対し、標的型攻撃メールと思われる不審なメールなどの情報提供が行われた件数は723件、それらの情報をもとにIPAからJ-CSIP参加組織へ情報共有を実施した件数は34件であった。情報提供件数は前四半期(88件)から急増しているが、その要因は10月以降に流行した「ばらまき型メール」(466件)と、スパムメールなど無害なメールに関する情報提供(166件)が相次いだためで、これらを差し引くと91件となり、前四半期と同程度であるとしている。なお、提供された情報のうち、IPAでは19件を標的型攻撃メールとみなしている。