「抱き合わせソフト」やWebトラッキングにも対応した個人向け2016年版(カスペルスキー) | ScanNetSecurity
2024.04.19(金)

「抱き合わせソフト」やWebトラッキングにも対応した個人向け2016年版(カスペルスキー)

カスペルスキーは、個人向け総合セキュリティ製品の最新版「カスペルスキー 2016 マルチプラットフォーム セキュリティ」を発表した。

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株式会社カスペルスキーは10月13日、個人向け総合セキュリティ製品の最新版「カスペルスキー 2016 マルチプラットフォーム セキュリティ」を発表した。カスペルスキー・オンラインショップでは10月15日より先行販売し、店頭では11月12日より発売する。価格は3,980円(1年1台版:ダウンロード版、税込)から。2016年版では、Windows、Mac、Androidの3OSに対応する。

発表において、同社の代表取締役社長である川合林太郎氏は「一般の方もセキュリティを意識し始めた」として、その背景に脅威の増大があるとした。実際に同社が2014年の1年間に検知した脅威の数は61億6,700万に上り、ひとつの脅威を1MBととすると6.7PBになると表現した。また、インターネットからの脅威は14億3,200万件、これらのユニークホストは976万件であった。これは同社のみで検知した数値であるため、実際にはこの数倍以上の脅威があると思われる。なお、ユーザの38%が攻撃対象になったとした。

また川合氏は、日経リサーチの調査結果から、多くのユーザがインターネット利用にさまざまな心配をしていること、総務省の調査結果から日本では96%以上のユーザがインターネット利用に不安を感じていることを示した。一方でユーザは、セキュリティソフトを“仕方なく”使っており、その理由には「重くなる」「分からない」「煩わしい」「高い」を挙げているが、あくまで“なんとなく”であるという。

川合氏はこの4つの理由について、それぞれ解いていった。現在のセキュリティソフトは決して重くなく、ユーザに意識させることなく、ユーザの手間をすべて引き受け、しかもグローバルに研究機関を持ち、分析や開発を維持することを考えるとセキュリティソフトは安価であるとした。

続いて、同社製品本部、プロダクトマーケティング部の部長である田村嘉則氏が新製品の概要を紹介した。田村氏は新製品を「これ1本であらゆる脅威から個人のお客様を守る高性能なセキュリティ保護製品」であると表現し、新機能として「システム変更コントロール」「Webトラッキング防止」「マイ カスペルスキー」の3つを挙げた。システム変更コントロールは、フリーウェアなどをインストールすることでブラウザのホームページ設定を変更されたり、別のソフトやブラウザのプラグインなどをインストールしたときに検知し、ユーザに知らせるもの。

Webトラッキング防止は、マーケティングなどの目的でユーザのWeb上での行動を追跡されることを防ぐもの。管理ポータルであるマイ カスペルスキーでは、遠隔地にある自分や家族のPCやMac、Android端末のセキュリティチェックやライセンス管理が行えるようになった。このほか、Mac版にも「ネット決済保護機能」を搭載したり、Android版にも保護者による管理機能を搭載するなどの機能強化が行われた。さらにパッケージのカスペルスキーロゴも一新、脅威を跳ね返す様子をイメージしたという。

最後に、同社製品管理本部のプロダクトマネージャーである保科貴大氏が登壇、新機能の紹介とデモを行った。システム変更コントロールでは、フリーウェアとともに別のソフトウェアやブラウザのプラグインなどがインストールされたり、ブラウザのホームページ設定を変更されることに対応するもの。これはインストール時に確認画面が表示されるが、あらかじめチェックが入った状態であるため見逃しやすい。システム変更コントロールはそれを検知して設定画面を表示、ユーザは変更の許可やブロックを行える。

Webトラッキング防止では、ターゲティング広告などの目的でユーザのWeb上での行動を追跡されることを防止する。保科氏は、こうした追跡への不安を表す調査結果を示した。Webトラッキング防止では、ブラウザに同機能のアイコンが表示され、トラッキング情報を収集されるたびに数字がカウントされていく。この数値が高くなるほど、トラッキングの制度が上がっていくことになる。このアイコンをクリックすると設定画面が開き、トラッキングの防止を設定できる。また、トラッキングの対象をSNS、Web解析、広告代理業者、Webビーコンなどから選択できる。

マイ カスペルスキーはクラウドサービスとなり、LAN内だけでなく自宅や家族のPC、出先のAndroid端末なども状態を確認できるようになった。管理画面では各端末の状況を確認し、必要があればスキャンを行ったり、ライセンスの確認や追加が行えるほか、サポート窓口へのアクセスが容易に行えるようになった。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

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