キーノートの中でグラニック氏は、「インターネットの自由の夢(Dream of Internet Freedom)」に対する制限が強まっていると主張。「インターネットの自由の夢」は、インターネットが年齢、人種、階級、性別などの属性にとらわれない平等なものだという点、どこでも誰ともコミュニケーションがとれるという点、自由に情報にアクセスできるという点、そして自由にネットワークなどを「いじる」ことができるという点を含むという。しかし、インターネットは平等、自由、そしてオープンであるという理想は、現在3つの要因によって壊れつつあるとグラニック氏は語る。
規制とは、米国のコンピュータ犯罪取締法(Computer Fraud and Abuse Act)、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act)といった、インターネットの利用方法を制限する法律などを指す。これらの存在は、自由に情報にアクセスできるという点や、リバースエンジニアリングなどといった自由に「いじる」という行為を制限しているとグラニック氏は話す。
グローバリゼーションにおけるインターネットの自由に対する制限とは、自国以外の規制に影響されるという点だ。例えば、米国の権利章典(Bill of Rights)は基本的人権に関する規定を定めているが、インターネットは同様の規定を要していない国からの規制対象ともなり得るため、人権を含めた自由が制限される可能性があるという。