東京都立産業技術研究センター(都産技研)は「事前防災・減災対策推進展」で首都大学東京と共同開発した画期的な災害時情報支援システムを初披露した。それはQRコードを身につける日用品に付け、災害時の救助活動に役立てようというものだ。「例えば靴などは逃げる時に必ず履きますから、そこに名前や顔、血液型、連絡先、飲んでいる薬などいろいろな情報を入れたORコードを付けておけば、自分の情報を救援者に正確に伝達でき、円滑な救助活動ができると考えたわけです」と都産技研関係者は話す。ブースには靴の他に、下着やハンカチなどが並んでおり、そこにはさまざまな色のQRコードが付けられていた。しかも、その情報は暗号化されており、専用のアプリでしか読めないようになっているという。さらに、このシステムの特筆すべきところは、専用アプリにある「助けて」というボタンを押すと、その情報が自動的に周辺のスマートフォンに発信されるようになっている点。それによって、周りにいる人は近くに救助を求めている人がわかり、すぐに救助へ向かうことができるわけだ。関係者によれば、このシステムは繊維製品の加工技術やQRコードの読み取る技術、生体認証付のQRコード、すれ違い通信を活用した情報伝達システムなど7つの新技術によって成り立っているそうで、完成するまでに3年を要したそうだ。「ただわれわれは公的な機関なので、これで儲けようというつもりはなく、広く使ってもらえればいいと考えています。製品化するのはあくまでも民間企業で、いろいろな企業とコラボできればと思っています」(都産技研関係者)とも話していた。