1.概要FTP サーバ用のソフトウェアである ProFTPD のモジュールにおいて、認証の不備があるためにホスト上にファイルをコピーされてしまう脆弱性が報告されています。当該脆弱性を巧みに利用されることにより、攻撃者により悪意のある PHP ファイルを書き込まれ、システムに侵入されてしまう可能性があります。2.深刻度(CVSS)10.0https://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2015-3306&vector=%28AV:N/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C%293.影響を受けるソフトウェア※1以下のバージョンの ProFTPD が影響を受けます。ただし、インストール時に mod_copy モジュールを有効化していない場合は、当該脆弱性の影響は受けません。 - ProFTPD 1.3.4 系の全てのバージョン - ProFTPD 1.3.5 系の 1.3.5rc4 より古いバージョン4.解説FTP サーバ用のソフトウェアである ProFTPD のモジュールにおいて、認証の不備があるためにホスト上にファイルをコピーされてしまう脆弱性が報告されています。当該脆弱性は、ファイルを自身のサーバ上にコピーするための ProFTPD のモジュールである mod_copy モジュールのコマンドを、外部ホストから認証をせずに利用できることに起因しています。mod_copy モジュールは、FTP サービスによるファイルの移動を円滑にするために、ProFTPD 1.3.4rc1 から導入された機能です。mod_copy モジュールでは、まず以下のコマンドを入力することで、コピー元のファイルを指定します。 SITE CPFR <コピー元ファイルのパス>続けて以下のコマンドを入力することにより、ProFTPD に書き込み権限があるサーバ上のアドレスに、SITE CPFR コマンドで指定したファイルをコピーすることが可能です。 SITE CPTO <コピー先のファイルのアドレス>ただし、ProFTPD を実行しているユーザに閲覧する権限がないファイルは、コピーすることができません。攻撃者は遠隔から脆弱な ProFTPD にアクセスし、巧妙に細工された FTP リクエストを送ることにより、Web サービスのディレクトリに悪意のある PHP ファイルを書き込み実行させることにより、対象ホストに侵入することが可能となります。当該脆弱性に対して、ProFTPD の開発チームは mod_copy モジュールに認証機能を加えることにより対処しています。以下のサイトに、脆弱性修正前後のソースコードの、比較が記載されています。 https://github.com/proftpd/proftpd/commit/35b65aaf7219be474f621a874ec77c85d9ec794d以上のサイトに記載されている contrib/mod_copy.c のソースコードの、修正後では 617 行目から追記されている箇所により、認証していないユーザが mod_copy モジュールを利用しようとした場合は 530 番応答を返すことが分かります。ProFTPD に当該脆弱性が含まれているかを確認するためには、対象の ProFTPDにおいて mod_copy モジュールのコマンドである "SITE CPFR /" を、遠隔のホストから入力した際の応答で判別することができます。脆弱性が含まれている場合は以下のような応答が得られます。 SITE CPFR / 350 File or directory exists, ready for destination name脆弱性が無い場合は 2 通りあります。脆弱性が無い場合の例としては、まず mod_copy モジュールがインストールされていない場合であり、以下のような応答が得られます。 SITE CPFR / 500 'SITE CPFR' not understood脆弱性が解消された mod_copy モジュールを用いている場合は、以下のような反応が得られます。 SITE CPFR / 530 Please login with USER and PASS5.対策ProFTPD 1.3.5a、または 1.3.6rc にアップグレードすることにより、当該脆弱性に対処することが可能です。http://www.proftpd.org/6.ソースコード(Web非公開)(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所)※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。Scan Tech Reporthttp://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
Apple OS X における XPC Services API を介して認証を回避し権限昇格されてしまう脆弱性 (rootpipe)(Scan Tech Report)2015.6.29 Mon 8:00
Adobe Flash Player の NetConnection クラスにおけるデータ型の検証不備により任意のコードが実行される脆弱性(Scan Tech Report)2015.5.27 Wed 8:00
Elasticsearch の Groovy スクリプトエンジンにおいてサンドボックス保護機構を回避して任意の Java コードが実行されてしまう脆弱性(Scan Tech Report)2015.5.20 Wed 8:21