Microsoft Windows の HTTP.sys に起因する整数オーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)
Microsoft Windows の HTTP.sys には、Range ヘッダを含む特定の HTTP リクエストの処理に起因して、整数オーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が存在します。
脆弱性と脅威
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1.概要 Microsoft Windows の HTTP.sys には、Range ヘッダを含む特定の HTTP リクエストの処理に起因して、整数オーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が存在します。 悪意あるリモートの第三者に利用された場合、システム上で不正な操作が実行される、あるいはシステムを不正に停止される可能性があります。 この脆弱性は、HTTP.sys を利用する Microsoft Internet Information Services(IIS)が稼働する環境で影響を受ける可能性が高いです。 既にこの脆弱性を利用してシステムを停止可能な攻撃コードが公開されており、また脆弱性を悪用する攻撃も確認されているため、パッチ未適用の Windwos OS を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。
3.影響を受けるソフトウェア※1 Microsoft Windows 7 Microsoft Windows 8 Microsoft Windows 8.1 Microsoft Windows Server 2008 R2 Microsoft Windows Server 2012 Microsoft Windows Server 2012 R2
4.解説 Microsoft Windows のコンポーネントの 1 つである HTTP プロトコルスタック (HTTP.sys) は、HTTP リクエストをパースするカーネルモードドライバであり、Microsoft IIS で利用されています。
Microsoft Windows の HTTP.sys には、HTTP リクエストをパースする際のRange ヘッダ※1 の取り扱いに不備があります。 このため、当該ヘッダに過度に大きな範囲のバイトレンジを指定された不正な HTTP リクエストを処理した場合、整数オーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が存在します。