FreeBSD の SCTP モジュールの実装に起因するメモリ領域破壊の脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.16(土)

FreeBSD の SCTP モジュールの実装に起因するメモリ領域破壊の脆弱性(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
FreeBSD には、SCTP ソケットを扱う際の SCTP ストリーム ID の処理に起因して、特定のカーネルメモリを読み書き可能な脆弱性が存在します。
システムにアクセス可能な悪意あるユーザに利用された場合、権限昇格やカーネルメモリから重要な情報を不正に取得される可能性があります。
脆弱性を悪用された場合の影響度が高いため、影響を受けるバージョンの FreeBSD を利用するユーザは可能な限り以下の対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
4.6
https://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-8612&vector=%28AV:L/AC:L/Au:N/C:P/I:P/A:P%29


3.影響を受けるソフトウェア※1
FreeBSD 8.4
FreeBSD 9.3
FreeBSD 10.0
FreeBSD 10.1


4.解説
Stream Control Transmission Protocol (SCTP) は、TCP が提供するサービスと同様のサービスを提供可能な信頼性の高いトランスポートプロトコルであり、FreeBSD では、getsockopt/setsockopt システムコール※1 を利用して SCTP ソケットを含む様々なソケットのオプションを操作できます。
操作可能なオプションの 1 つである Stream Scheduler Parameter (SCTP_SS_VALUE) は、以下のような構造体で定義されメンバとして、assoc_id,stream_id, stream_value を持ちます。

struct sctp_stream_value {
sctp_assoc_t assoc_id;
uint16_t stream_id;
uint16_t stream_value;
};

FreeBSD には、setsockopt システムコールを介して SCTP ソケットの SCTP_SS_VALUE オプションを設定する際に SCTP ストリーム ID (stream_id)の境界チェックを適切に行わない不備があります。
このため、当該 ID に特定の値を指定した SCTP ソケットを操作する不正なアプリケーションを処理した場合に、配列のインデックスエラーが発生し、結果として、16 ビットのカーネルメモリを読み書き可能な脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、システムにアクセス可能なローカルの攻撃者はカーネルメモリ領域から重要な情報を窃取する、あるいは権限昇格を行う可能性があります。

※1 https://www.freebsd.org/cgi/man.cgi?query=setsockopt&sektion=2


5.対策
以下の Web サイトを参考に、最新ブランチの FreeBSD 8.4/9.3/10.1-STABLE,8.4-RELEASE-p23, 9.3-RELEASE-p9, 10.0-RELEASE-p17, 10.1-RELEASE-p5 にアップデート、あるいはパッチ (sctp.patch) を入手し適用することで、この脆弱性を解消することが可能です。
※freebsd-update(8) ユーティリティを利用することでも、解消バージョンにアップデートすることが可能です。

FreeBSD-SA-15:02.kmem:
https://www.freebsd.org/security/advisories/FreeBSD-SA-15:02.kmem.asc


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所

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Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
《株式会社ラック サイバー・グリッド研究所》

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