[レポート]Internet Week 2014、それぞれの立場や意見を持つ実務家が2014年のセキュリティをふりかえる | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

[レポート]Internet Week 2014、それぞれの立場や意見を持つ実務家が2014年のセキュリティをふりかえる

セキュリティチームには、JPCERT/CC 、 ISOG-J 、日本 CSRIT 協議会などから8名の識者が集まり、セキュリティカテゴリ全体を俯瞰した議論が行われたため、分野重複の無い良いプログラムが立案できたという。

研修・セミナー・カンファレンス
「我が国のサイバーセキュリティ戦略について」 谷脇 康彦 氏 (内閣官房内閣審議官 兼 内閣官房情報セキュリティセンター 副センター長)
  • 「我が国のサイバーセキュリティ戦略について」 谷脇 康彦 氏 (内閣官房内閣審議官 兼 内閣官房情報セキュリティセンター 副センター長)
  • 「サイバー犯罪 傾向と対策」 松尾 直樹 氏 (警察庁生活安全局情報技術犯罪対策課 課長補佐)
  • 「パーソナルデータの活用と個人情報保護法改正」 鈴木 正朝 氏 (新潟大学)
  • 弁護士 森 亮二 氏 (弁護士法人英知法律事務所)
  • 「セキュリティキャンプから見えてきた『本当に身につくセキュリティの学び方』」 宮本 久仁男 氏 (株式会社エヌ・ティ・ティ・データ/情報セキュリティ大学院大学)
  • 「SECCON CTF - 攻撃者の視点を学ぶ」 竹迫 良範 氏 (サイボウズ・ラボ株式会社)
  • 「標的型攻撃の実戦」 高 元伸 氏 (ヤフー株式会社)
  • 「DDoS攻撃観察記 - DDoSからACCSを守り続けた10年でみたものとは」 須藤 年章 氏 (NTTコミュニケーションズ株式会社)
11月18日から21日 東京 秋葉原 富士ソフト アキバプラザで「Internet Week 2014」が開催された。同カンファレンスの約3分の1がセキュリティ関連セッションで占められ、そのテーマは、国家サイバー戦略、警察の捜査実態、ビッグデータとプライバシー、人材育成、IPv6、標的型攻撃、DDoS攻撃、CSIRTとSOC運用、SSL、フォレンジックなど多岐にわたり、各ジャンルの専門家と実務家が登壇し、2014年のセキュリティ動向の振り返りと総括を行った。

Internet Week では、例年セキュリティセッションは、各ジャンルに詳しい実行委員がプログラムの立案や講演者の決定などを個別に行っていたが、本年から新たに「セキュリティチーム」「社会派プログラム検討チーム」などの横断チームが立ち上げられた。セキュリティチームには、JPCERT/CC 、 ISOG-J 、日本 CSRIT 協議会などから8名の識者が集まり、セキュリティカテゴリ全体を俯瞰した議論が行われたため、分野重複の無い良いプログラムが立案できたという。そのためか本年は、ひとつのテーマを、さまざまな立場や、複数の角度から分析したり、意見の異なる論客がひとつのセッションで意見をたたかわせるブッキングに優れたセッションが目立った。

「パーソナルデータ利活用およびデータプライバシーに関する動向」では、2013年に発生したJR東と日立の、いわゆる「SUICA事件」を違法と捉えるか合法と捉えるかに関して異なる意見を持つ、新潟大学教授 鈴木 正朝 氏 と、英知法律事務所 森 亮二 弁護士の対談が行われ、会場は熱気に包まれた。

「標的型攻撃の現状と対策 2014~事実は小説より奇なり~」では、デロイト トーマツ リスクサービスの岩井 博樹 氏が最新の対応事例の紹介を行った。岩井氏は、事業者間で攻撃実態の情報共有が容易に行われないことを問題点のひとつとして挙げた。つづいて登壇したヤフー株式会社 高 元伸 氏は、昨年まさに Yahoo! Japan が直面した攻撃と、その対策に関する知見を赤裸々に来場者に共有した。日本最大のユーザーを抱える Webサービスが、自社が攻撃を受けた事案に関して、公開の場で情報共有を行った意義は大きい。

また、「DDoS 2014」では、Antinny による公式サイトへの10年にわたる DDoS 攻撃がもたらした困難を、当事者である ACCS 中川 文憲 氏が講演した直後に、NTTコミュニケーションズの 須藤 年章 氏が、インフラと技術と知力を尽くした10年間の対策を技術面からふりかえるという、ルポルタージュやドキュメンタリーを読むような骨太なセッションが行われた。

Internet Week 2014 の総来場者数は、約2,650名(12月16日集計時点)で平年なみだった。セキュリティ関連で特に来場者が多かったセッションは、「標的型攻撃の現状と対策 2014~事実は小説より奇なり~」「あなたの身近で起きているサイバー攻撃2014」「DDoS 2014」の3セッション。

セキュリティセッションの来場者向けのアンケート結果によれば、「DDoS 2014」「あなたの身近で起きているサイバー攻撃2014」が、個別講演者ではソフトバンク・テクノロジー株式会社 の辻 伸弘 氏のアンケート評価が高かったという。
《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》

編集部おすすめの記事

特集

研修・セミナー・カンファレンス アクセスランキング

  1. ハッカーの OSINT 活用法 ~ 日本ハッカー協会 杉浦氏講演

    ハッカーの OSINT 活用法 ~ 日本ハッカー協会 杉浦氏講演

  2. FFRI 鵜飼裕司の Black Hat USA 2018 注目 Briefings(1)日本はグローバルセキュリティ業界のインナーサークルにいない

    FFRI 鵜飼裕司の Black Hat USA 2018 注目 Briefings(1)日本はグローバルセキュリティ業界のインナーサークルにいない

  3. 総務省 SBOM 対応ノスゝメ

    総務省 SBOM 対応ノスゝメ

  4. 企業のネットワーク管理者必見!Internet Week 2017 セキュリティセッション紹介 第1回「インシデント対応ハンズオン2017」について語る

  5. 自動車サイバーセキュリティコンテスト「Automotive CTF Japan」新たに開催

  6. 安価で導入しやすい AWS や Azure の WAF、その一方でユーザーが抱える運用課題とは? ~ サイバーセキュリティクラウド

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×