File Manager の WiFi Transfer 機能を有効にしている状態で、細工したリクエストを受信した場合に、Web 管理インターフェース上に任意の JavaScriptが埋め込まれる可能性があります。JavaScript が実行された結果、Web 管理インターフェース上に偽の情報を表示させたり、意図的に表示崩れを引き起こし一時的に Web 管理インターフェースを使用不能にされたりする可能性があります。
WiFi Transfer 機能は、同一の無線 LAN アクセスポイントに接続している機器において、ファイルの共有や編集を可能にするものです。Web ブラウザからウェブ管理インターフェースへアクセスし、ファイルのアップロードやダウンロード、フォルダの作成などの操作ができます。HTML における特殊文字のエスケープ処理に不備があり、細工したフォルダを作成すると、そのフォルダに含まれる特定の文字列が JavaScript として実行されます。なお、当該フォルダを削除しない限り、JavaScript は埋め込まれたままとなります。
現時点では本脆弱性の対策を施したバージョンは公開されていませんが、本脆弱性の再現条件として、攻撃者は攻撃対象の iOS 端末と同一の無線 LAN アクセスポイントに接続している必要があり、さらに iOS 端末のユーザは FileManager の WiFi Transfer 機能を有効にしている必要があるため、ただちに悪用される脆弱性ではありません。対策バージョンが公開されるまでは、信頼できない Wi-Fi 環境において WiFi Transfer 機能を利用しないことをお勧めします。