株式会社日本レジストリサービス(JPRS)は6月12日、BIND 9.10.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について発表した。これは、BIND 9.10.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されたというもの。 ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「重大(Critical)」と評価している。BINDの9.10系列(9.10.0~9.10.0-P1)にはEDNS0のオプションの処理に不具合があり、特別に作成されたDNS問い合わせの処理において、namedが異常終了を起こす障害が発生する。本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、"REQUIRE" assertion failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力される。また本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性がある。攻撃はリモートから可能であり、かつ、キャッシュDNSサーバ/権威DNSサーバの双方が対象となる。さらに、本脆弱性はBIND 9に付属のDNSライブラリ内に存在するため、当該ライブラリを使用しているnamed以外のプログラムやアプリケーションなどにおいても、影響を及ぼす可能性がある。JPRSでは解決策として、本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.10.0-P2)への更新、あるいは各ディストリビューションベンダからリリースされる更新の適用を、速やかに実施することを挙げている。