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2017.11.20(月)

クラウドPBXでスマホもPCも内線化……NTTコム「Arcstar Smart PBX」

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 多くの企業で、社内での内線電話構築に利用されているPBX(構内交換機)。今後大きく拡大が見込まれる市場ではないが、ビジネスフォンを必要とする層は確実に存在し、利用を続けている企業も多い。

 その一方で、電話やコミュニケーションの世界は、モバイルやクラウドの時代となり、BYOD、FMC、VoIP関連のサービスによってビジネスの効率化やコストダウンを図るソリューションが広がっている。そして、その波はPBXにも及んでおり、NTTコミュニケーションズが3月末にリリース予定のArcstar Smart PBX(以下Smart PBX)は、PBXをクラウド化してBYODとFMCを融合したソリューションを提供するものだ。

■クラウドPBXのメリットは

 Smart PBXは、オフィス内の電話設備のうちPBXをクラウド化し、PBXレスの内線環境を実現してくれる。IP化を前提とするので、IPフォンはもちろん、専用アプリをインストールしたスマートフォン、タブレット、PCなどが使える。外線はNTTコミュニケーションズのArcstar IP Voiceか050 plus for Bizを利用する。もし、既存のPBXを活用したいなら、PBXにVoIP-GWを設置して内線交換機機能をSmart PBXに託すこともできる。

 PBXをクラウド化することのメリットについて、NTTコミュニケーションズ ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部 販売推進部門 担当課長 池田憲昭氏は次のように語る。

「交換機がクラウドにあるので、まずPBXのスペースコスト、管理コストがなくなるというのがあります。それに加えて、拠点が離れていてもクラウドPBXで一元管理できるので運用・管理業務の効率化というメリットもあります」

 インターネットへの接続環境があれば、地方の拠点や海外の拠点とも「内線」としてつなぐことができる。これにより拠点間の通話料の削減ができるだけでなく、外出先や出張先でも、スマートフォンなどで無料の内線通話や呼び出しが可能となる。つまり、PBXをクラウド化することで、FMC環境を整備できるということだ。

 さらに池田氏は、BYODでのメリットも強調する。「例えば業務に携帯電話を活用するとき、ビジネス携帯を支給するとなると端末や通話料コストがばかになりません。かといってBYODで個人所有の携帯電話などの併用をさせると、業務利用と個人利用の通話料の管理・負担が面倒です。またデバイスプロファイルの管理やセキュリティ対策も課題となります。BYODソリューションも各種ありますが、Smart PBXは050 plus for Biz契約のスマートフォンをPBXの子機、電話機としても利用できますので、セキュリティ対策や業務利用だけの通話料も会社に自動請求されるなど、公私分計も可能です」。

■Smart PBXはこれだけ便利

 PBXをクラウド化するソリューションは他社からも提供されているが、NTTコミュニケーションズのSmart PBXならではの特徴はなんだろうか。Smart PBXで利用できる端末はIPベースのソフトフォンとなるため、適当なアプリケーションがあればデバイスを選ばない。前述したがPC、タブレット、スマートフォン、IPフォンの他、必要なら既存のPBX(VoIP-GW経由)も利用できる。そしてモバイル端末の場合、通信キャリアに制限はない。Smart PBXのアプリケーションがインストールできれば、NTTドコモの端末以外は使えない、というようなことはない。

 インストールするアプリは、050 plus for Bizのアプリがベースとなっているが、PBX関連の機能が追加されたSmart PBX専用アプリとなる。池田氏によれば「IPフォンやスマートフォンの機種によってはすべての機能がサポートできない可能性がありますが、動作検証など進めていき推奨機種など適宜提示できるようにしていきます」とのことだ。

 ビジネスフォンのUIについては、ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部 サービス企画部門 担当課長 竹居宣仁氏が説明してくれた。

「Smart PBXは、既存のPBXやビジネスフォンを置き換えるソリューションですので、ピックアップ、転送、保留などの機能も用意しました。電話を受けたのがスマートフォンだから転送できない、といったことはありません」。


■Web電話帳との連携も便利

 Smart PBXは今後、「Web電話帳」とも連携できるようになる予定である。Web電話帳は050 plus for Bizのサービスのオプションとして提供されているサービスだ。電話帳はクラウド上のサーバーに保存され、発信はWeb電話帳のリストや履歴から簡単に行うことができ、着信についても名前が表示される。

 また、クラウドサービスなので端末のセキュリティ対策にもなる。「この電話帳は、全社共通の電話帳、グループごとの電話帳、個人の電話帳という3つグループ分けが可能です。グループごとの管理も便利ですが、Web電話帳の特徴はクラウド管理ということで端末に保存される電話帳よりセキュアであることです。履歴も端末側に残さないので(一部例外機種あり)モバイルデバイスの紛失・盗難対策にもなります(竹居氏)」とのこと。

■どんな企業が導入すべきか

 以上のような機能や特徴を持つSmart PBXだが、どのような企業が導入するとよいのだろうか。Smart PBXでは、内線番号1つを1IDとして500IDまで対応できるので、いわゆる中堅・中小企業がターゲットとなる。もちろん、複数の拠点を含む企業全体の番号をSmart PBX化することも不可能ではない。

 まず導入対象として考えられるのは、新規事業の開始、新しいオフィスを開設といった理由でPBXの導入やリプレースを考えている企業だ。竹居氏は、「Smart PBXは既存PBXとの併用が可能ですので、段階的な導入が可能です。PBXは固定資産になるので、古いからという理由だけで簡単にはリプレースできないこともあります。減価償却を機に新システムへの入れ替えを考えているところは、PBXレスにすることで固定資産の管理コストも削減できます」と、財務処理面でのメリットを強調した。

 もうひとつのアプローチは、業務効率やコストダウンのためBYODを考えている企業に対するものである。Smart PBXはFMC、BYODとの親和性も高く、モバイルデバイス活用が広がる中、FMCやBYOD導入を考えている企業には電話設備全体をカバーするソリューションとして提案することもあるそうだ。

 新しいPBXと考えると業種はとくに選ばないようだ。電話が必要ないという企業はないということだろう。たとえば配送センターのような広いエリアにはモバイルデバイス主体による使い方もあるという。他にも事業所の拡大が早い企業などにも向いているそうだ。

■BYODやFMCもクラウドPBXで総務部が解決できる時代

 一般的にFMCやBYODといったソリューションは、会社にシステム部門やIT担当部署があれば、そこが対応することになる。しかし、中小企業では専任の担当者がいない、システム部門がない、ということも多い。

 Smart PBXは、電話機の交換といういわば総務部の業務への提案ともなるため、情報部門がない企業でも提案ができるそうだ。クラウドサービスなので、面倒なサーバーやソフトウェアのメンテナンスはNTTコミュニケーションズに任せることができる。それでいて、PBXのコストダウンだけでなく、FMCやBYODというシステム担当者がいないと導入しにくかったソリューションも手に入れることができるわけだ。
《中尾真二@RBB TODAY》

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