NTTドコモと愛知県豊橋市は8日、タブレット端末を利用した小学生向けの授業の新たな取り組みをスタートした。小学生のための世界自然遺産プロジェクト「ユネスコキッズ」の活動の一環として、自然の尊さを学ぶ授業にタブレット端末を活用する。こうした取り組みは日本で初めてとのこと。 ドコモは2006年から「ユネスコキッズ」に協賛しており、今回の取り組みもその活動の一環として行うもの。「ユネスコキッズ」はユネスコ・パリ本部、エバーグリーンデジタルコンテンツ、電通で構成される実行委員会が主催する環境教育プログラム。単に「自然を守ろう」と説くのではなく、より多くの自然に触れる機会をつくることで「自然」に興味を持ち、深く学んでもらうことを主眼としている。 今回の取り組みは、ICTを活用した教育に積極的な愛知県豊橋市との協力で実現したもので、授業が行われる豊川市立牛川小学校で共同記者会見と公開授業が開催された。会見には豊橋市教育委員会、ドコモそれぞれの代表者のほか、豊橋市長の佐原光一氏も駆けつけて登壇。豊橋市が進めているICTを活用した教育の意義や可能性について言及するとともに、今回の授業が子どもたちのICTリテラシーをさらに向上させ、そこから新たな可能性が広がるとの期待を語った。 さらにパリのユネスコ世界遺産センター所長のキショール・ラオ氏のスピーチも動画で紹介された。ラオ氏は豊橋市で開始されるユネスコキッズの授業を嬉しく思っており、こうした授業をユネスコ・スクールの加盟校である日本のほかの学校にも広げていきたいとしている。 ドコモはこの授業のためにタブレット端末45台を提供。さらに、授業に使用する世界自然遺産学習プログラムの開発も担当した。これまでユネスコキッズの協賛活動として様々な形で日本中の小学校と連携して課外授業などを実施してきたノウハウを生かしたもので、写真と動画をふんだんに使用した分かりやすいプログラムとなっている。一方、授業を実施する牛川小学校は数年前からICTを活用した授業に取り組んでおり、教師のICTに対する習熟度も高い。授業は総合学習の一部として4年生に対して実施される。