トレンドマイクロ株式会社は6月3日、同社「TrendLabs」がパスワード保護された圧縮形式の圧縮ファイル内に自身のコピーを作成するワームを確認したとブログで発表した。TrendLabsは、特定のWinRARのコマンドラインを利用して感染活動を行うワームの検体を入手した。このワームは同社製品では「WORM_PIZZER.A」として検出される。コマンドが実行されると、特にZIPやRAR、RARの自己解凍型ファイル(拡張子SFX)などといった圧縮されたファイルの中に自身のコピーを作成することが可能になる。しかしこのワームは、圧縮ファイルからパスワードを取得することはない。このコマンドラインは通常のものだが、攻撃者はWinRARの「圧縮ファイルにファイルを追加できる」機能を悪用する。これにより、たとえパスワード保護されている圧縮ファイルであっても、そこに自身のコピーを作成するという巧妙な手口を実現している。誤ってこの圧縮ファイルを解凍してしまったユーザは、このワームのコピーが含まれていることはわからないため、他のファイルとともにこのワームを実行してしまうことになる。