株式会社Kaspersky Labs Japan(カスペルスキー)は1月20日、ロシアKasperskyが12月19日に公開したリリースの抄訳として、2012年の「セキュリティ脅威予想」を発表した。レポートでは、「2012年、世界各国の政府および大手企業はサイバー脅威の拡大を警戒する必要がある」として、国家機関や大手企業を狙った標的型攻撃が劇的に増加するだけでなく、さらに広範囲にわたる組織が脅威の襲来を受ける可能性を指摘している。従来標的となった業界に加え、天然資源採取、エネルギー、運輸、食品、薬品業界にも影響が及び、インターネットサービスや情報セキュリティの企業も標的となるとしている。攻撃範囲は地理的にも広がりを見せ、西欧やアメリカ合衆国だけでなく、東欧や中東、東南アジアにも及ぶとみている。標的型攻撃は、メールにファイルを添付して脆弱性を悪用するというこれまでの攻撃手法は徐々に効果を失い、ブラウザを利用した攻撃が広がりを見せると予測する。また、国家機関や企業に対する「ハクティビスト」による攻撃が2012年も継続し、大きな政治問題になると予想している。レポートではこのほか、国家間のサイバー紛争は従来の対立関係を軸に展開していくことや、モバイル端末への攻撃は引き続きAndroidの脆弱性を狙う攻撃が増加するとともに、モバイル端末でのドライブバイ攻撃やモバイルボットネットが出現する可能性もあるとしている。