株式会社Kaspersky Labs Japan(カスペルスキー)は12月28日、ロシアKasperskyが11月25日に公開したリリースの抄訳として、2011年10月度の「スパムレポート」を発表した。レポートによると、10月は重大なニュースを餌にした大量配信メールや、フィッシング詐欺ターゲットの変化、そしてスパムが世界各地から分散して配信されるという傾向が見られた。Apple社の共同設立者であるスティーブ・ジョブズの死去、リビアの指導者であったムアンマル・カダフィ死去などがスパムメールに最大限活用され、そのほとんどに悪性コードが埋め込まれていた。また、古典的な「ナイジェリアの手紙」形式の詐欺に利用されている。世界経済の停滞はフィッシング詐欺に確実に影響を与えており、詐欺師達は仮想通貨よりも現実の通貨を求めているとみられる。その結果、10月は詐欺師達の間で銀行および金融サービスが人気となり、ソーシャルネットワークおよびオンラインゲームへの注目は薄れていたという。また10月は、今までになく世界中から分散してスパムが配信された。2011年の第3四半期には、全スパムトラフィックの約50%が上位5か国から送信された。しかし10月には、これらの国からの送信は全体の33.4%に過ぎず、ランク上位以外の国から送信されたスパムが増加した。