株式会社Kaspersky Labs Japan(カスペルスキー)は9月30日、ロシアKasperskyが9月9日に公開したリリースの抄訳として、2011年8月度のマンスリーレポートを発表した。レポートでは、8月の終わりまでに何らかの形でBitcoinシステムを標的とする35種類のマルウェアを検知している。サイバー犯罪者達は、自分の儲けがアクセス可能なコンピュータの数に大きく左右されることに気付き、Bitcoinウォレットを盗むことから、TwitterやP2Pネットワークベースのボットネットを利用することに作戦を変更したという。実際に同社では、ある大規模ボットネットがBitcoinアカウントを隠蔽していることを発見している。また、この夏はロシア語圏のサイバー犯罪者が作成した「ZeuS」のクローンが詐欺師達の間で人気となった。作者は「Ice IX」と名づけ、600から1,800米ドルで販売している。Ice IXは革新的な技術として、ボットネット制御用に変更されたWebモジュールを搭載。このモジュールを利用して、サイバー犯罪者のコミュニティが提供するいわゆる「防弾サーバ」を使った割高なホスティングサービスの代わりに正規のホスティングサービスを使用できるようになるため、Ice IXオーナーはホスティング費用を削減できる。このほか、Windows RDPサービス経由で感染を拡大する「Morto」、Androidを狙う脅威の増加、企業および有名組織のネットワークを標的とする攻撃などを取り上げている。(吉澤亨史)http://www.kaspersky.co.jp/news?id=207582751