トレンドマイクロ株式会社は7月7日、2011年上半期および6月度の「インターネット脅威マンスリーレポート」を発表した。2011年上半期は、国内、海外を問わずOSの脆弱性を悪用して感染を広げる「WORM_DOWNAD」が感染被害報告数、検出数ともに1位となった。また、国内ではUSBメモリなどのリムーバブルメディアを経由して感染を広げる「MAL_OTORUN」や、偽セキュリティソフト「TROJ_FAKEAV」の亜種としてシステムの診断を行っているように見せかけて修復には有償版の購入が必要だと促す「偽システム診断ツール」を多数確認するとともに、Mac OSに感染する偽セキュリティソフトを確認した。スマートフォン関連の脅威では、Android端末に感染する不正プログラムが半年で16倍に急増した。2010年12月末は同社のパターンファイルの累計数が5件であったが、2011年6月末には80件に達した。Android OSを採用したスマートフォンが個人や企業で急速に普及したことに伴い、攻撃者のターゲットになりつつあると推測している。日本では、ファイル共有ソフトで感染を広げる不正プログラム「WORM_ANTINNY」ファミリが3位、7位、8位にランクインした。6月のインターネット脅威状況では、6月の不正プログラム感染被害の総報告数は593件で、5月の578件から増加した。同社日本国内のサポートセンターにおいて、ワンクリックウェアの被害報告が増加傾向にある。また、感染後に不正なWebサイトへ接続し、他の不正プログラムを連鎖的にダウンロードす「TROJ_DLOADER」が8位にランクインし、先月に引き続きWinnyなどのファイル共有ソフトを経由して感染を広げる不正プログラムである「WORM_ANTINNY」ファミリが3種ランクインした。全世界のランキングでは、USBメモリなどのリムーバブルメディアを感染経路にする不正プログラムである、「Mal_OtorunN」が先月に引き続きランクインしている。(吉澤亨史)http://jp.trendmicro.com/jp/threat/security_news/monthlyreport/article/20110706104118.html