4.解説 Microsoft Windows では、ユーザが定義する Unicode 文字を使用するための外字フォント (end-user-defined characters: EUDC) をサポートしており、サブシステムのカーネル部分である Win32k カーネルモードドライバ (Win32k.sys) を利用して、EUDC レジストリデータから外字フォント情報を取得します。
Microsoft Windows の Win32k.sys には、レジストリデータを操作する RtlQueryRegistryValues API において、システムの既定で利用される外字フォントを示す SystemDefaultEUDCFont から読み出したレジストリデータを適切にチェックしない不備が存在します。このため、SystemDefaultEUDCFont に不正なレジストリデータを指定し、GDI32.EnableEUDC() 関数を介してシステムに当該外字フォン情報を設定された場合に、バッファオーバフローが発生する問題が存在します。
この脆弱性を利用することでローカルの攻撃者は、システムでブルースクリーン (BSOD) を発生させ、結果としてシステムをサービス不能状態にする、あるいは Local System 権限で任意のコマンドを実行可能となります。
なお、この脆弱性は、Windows Vista 以降の OS に実装されるユーザアカウント制御機能 (User Account Control: UAC) を回避可能であるため、標的システムへアクセス可能な場合は、Guest アカウントでも悪用される恐れがあります。