情報セキュリティの10大潮流 [5] 第5の潮流「事業継続管理(BCM)」【前編】 | ScanNetSecurity
2024.04.20(土)

情報セキュリティの10大潮流 [5] 第5の潮流「事業継続管理(BCM)」【前編】

 本連載では、情報セキュリティの進化の中、10大潮流を取り上げ、社会環境の変化とともにその動きを振返り、将来の方向感についても考えていく予定です。

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 本連載では、情報セキュリティの進化の中、10大潮流を取り上げ、社会環境の変化とともにその動きを振返り、将来の方向感についても考えていく予定です。

 10大潮流は「セキュリティ管理の確立」と「安全安心な電子社会の構築」の
2つのカテゴリ毎にそれぞれ5大潮流を定義して概説していきます(*参考1)。第5回目は第5の大潮流として「事業継続管理(BCM)」について説明します。

*参考1 情報セキュリティの10大潮流−その1−
http://www.nttdata-sec.co.jp/article/security/090715.html

■■ セキュリティ管理の確立【カテゴリ1】 ■■

 テロや自然災害等の事件・事故が後を絶たない中で、BCM(事業継続管理)への注目が集まっており、事業継続計画(BCP)を策定する組織が増え始めています。またCSR(社会的責任)、SOX法やISMS(情報セキュリティマネージメント)で求められる内部統制の対象としても位置づけられ、各種事業法においてもBCMが求められている状況です。

1.サプライチェーンと事業継続管理

 日経新聞によると、四川大地震では、操業停止に追い込まれた現地企業(国有企業または年商500万元以上の一般企業)のうち、27%に相当する1,482社は、1ヶ月余り経過した時点でも生産を再開できずにいたということです。このうち24%は、稼働再開まで3ヶ月以上かかる見通しだと報じていました。また2007年7月に発生した新潟県中越沖地震では、自動車部品の分野で高いシェアを持つリケンが被災し、業務が停止しました。このリケンの業務停止は、自動車の生産にかつてないほどの大きな支障を与え、国内自動車メーカーの生産遅れは10万台以上になり、遅れを取り戻すまでに数ヶ月を要したと言われています。

 これらの大きな災害の経験を通じて、事業継続の実現にはサプライチェーン全体で考える必要があるということを改めて示しました。最近では、サプライチェーンなどで企業同士の連携が増えており、特に海外との取引がある場合、海外企業が事業継続管理(BCM)の整備レベルを取引条件にするところも出てきているようです。すなわち、企業の事業継続対策には、自社だけではなく、自社の業務委託先や取引先など幅広い組織を対象とすることが重要になってきているといえます。

2.規格・ガイドライン策定と標準化の動き

 BCMが求められてきている中で、BCMに関する議論や認定制度、BCM構築支援サービスの提供等に係わる動きが急速に活発化しています。一方、行政府によるガイドラインも公表され、国際標準化についても国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)で議論が進められています…

【執筆:NTTデータ・セキュリティ株式会社 エグゼクティブ・セキュリティマネージャ 林 誠一郎】

*各規格名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

【関連リンク】
NTTデータ・セキュリティ セキュリティ対策コラム
http://www.nttdata-sec.co.jp/column/index.html
──
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