さて、東京でこのトレーニングが受講できる機会が10月にやってくる。今回ご紹介した内容にいちばん近いスキルが身につくコースは、「SEC504 Hacker Techniques, Exploits and Incident Handling」だ。攻撃のねらいとその手口を詳細に理解し、総合的なインシデントハンドリングが行えることを目的として開発されたコースである。日々進化する攻撃に対応して、コース内容のアップデートも頻繁に行われている。「地球上で最も危険なネットワークの一つ」に接続して演習を行うことも、このコースの大きな魅力となっている。
最後に、SANSのトップインストラクターの一人であり、「Hacker Techniques, Exploits, and Incident Handling」の開発責任者でもあるEd Skoudisのコメントをご紹介しておこう。
「このコースを担当していて最も楽しいのは、受講生の方が理解に至る瞬間に立ち会えるところです。受講生の方は、たいてい2段階のプロセスを経ます。まず、攻撃にはいかに悪意に満ちたものがあるかを認識するところからです。中には、悪意に満ちた企みを目の当たりにして非常に感情的に反応し、悪態の声を上げる受講生もいます。ここでコースが終わってしまったら、相当酷です。次は、もっと楽しい段階に入ります。コースが進むにつれ、たとえ攻撃がどんなにひどいものであっても、阻止、検知、レスポンスができるということを徐々に理解していきます。コースで習得した知識を用いることで、悪意者がシステムを攻撃するに至ったとしても、それに対する手立てがあるということがわかるのです。要は、悪意者に対抗できる備えの有無次第なのです。 - Ed Skoudis」
SANSトレーニングの情報は以下のサイトをご参照いただきたい。 日本語: http://sans-japan.jp/ 英語: http://sans.org/ Ed Skoudisによるコース紹介(YouTube SANS Channel): http://www.youtube.com/watch?v=erK0d8ZkZrk&feature=channel_page
【執筆:NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 サイバーセキュリティラボ SANS GIAC Board of Directors member 関取嘉浩】
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