内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)、総務省、経済産業省は2月25日、東京で開催された国際会議「第1回日・ASEAN情報セキュリティ政策会議」において合意した、「情報セキュリティ分野における日・ASEANの連携枠組み」について内容を公表した。 会議には上記3官庁のほか、ASEAN加盟国の経済・投資関係省庁及び情報通信省庁の高級事務レベル(局長・審議官クラス)、ASEAN事務局、日本経団連、電気通信事業者、情報セキュリティ関連機関及びその他民間企業などが参加し、「知識経済社会におけるセキュアなビジネス環境整備」「セキュアな情報通信利用に向けた環境整備」「政府が主導する情報セキュリティ対策」の3テーマにつき、意見交換を行っている。 合意内容としては、日本及びASEAN諸国は経済連携を強化し、国家基盤を支える情報インフラの情報セキュリティ対策を向上させるために協力を促進することを決定した。日本政府の具体的な施策としては、高度な情報セキュリティ対策が対外直接投資及びアウトソーシングを活性化するとの認識を高めるために、ASEAN各国内の産業界における情報セキュリティ意識向上や対策強化に向けた日ASEAN間の産業界の対話、ERIA(東アジア・ASEAN経済研究センター)などを活用した政策研究の実施、技術的専門家の養成や人材育成の支援などに取り組む。また環境整備として、ネットワーク事業者間のオペレーションにおける連携体制の構築、コンピュータセキュリティ緊急時対応チーム(CERT/CSIRT)間の協力関係の更なる強化、スパムなどサイバー脅威対応における連携の強化などを行う。 加えて情報セキュリティの国家戦略として、ASEAN諸国と連携して政府、重要インフラの防護に焦点を当てた、包括的な国家戦略の立案を支援することを表明。そのために、専門家間の会合(作業部会)の開催、域内の課題に対して連合して対応することを目指しての連携強化を約束した。今後はこうした連携枠組みに沿って、日本からの情報セキュリティガバナンス浸透に向けたセミナーの開催、技術開発に向けた協力、人材育成に関する連携などの具体的な取り組みが進められる。 http://www.nisc.go.jp/press/pdf/aseanj_conf2009_agreement_press.pdf