顧客からUSB感染型ウイルスに掛ってしまい駆除してほしいとの依頼を受けました。以前同じ依頼を受けた時は、フォルダオプションで隠しファイルを表示する設定に変更し、感染したファイルを全て手動で削除することでなんとか駆除できました。しかし、今回のウイルスの場合は、隠しファイルの表示ができないのです。この場合、未だにウイルスに感染しているままなのでしょうか?また、様々なウイルス対策ベンダーから駆除ツールが提供されていますがピンポイントでこれだというツールが見つかりません。(隠しファイルが表示できる場合は)手動でファイルを見つけて削除することもできるのですが、もっと簡単にウイルスを駆除する方法があれば教えてください。 ◎ 相談室にご相談をお寄せください メールでのご相談 scan@cybozu-mt.jp Webフォームからのご相談 https://shop.ns-research.jp/form/fm/qa ─●USB感染型ウイルスの感染確認方法 まず、セーフモードとコマンドプロンプトでPCを起動してください(PCの起動時にウイルスも実行しないようにするため)。次に、各ドライブ内(USBメモリも含む)に「autorun.inf」が作成されているかどうかを調べることでウイルス感染を確認しましょう。DOSのコマンドプロンプトで、「dir c: autorun.inf /a」(ドライブ名は適宜変更)と入力して、「autorun.inf 」が存在すれば、ウイルスに感染している可能性があります。 また、フォルダオプションの設定を操作することでもウイルス感染しているか確認できます。「マイドキュメント」のメニューバーにある「ツール]から「フォルダオプション」を選択します。次に「表示」タブの「詳細設定」にある「すべてのファイルとフォルダを表示する」にチェックが入っているかどうかを確認します。もし、最初からチェックが入っていればウイルス感染の可能性は低いです。しかし、チェックを入れても元に戻ってしまう場合はウイルス感染している可能性が高いです。●感染しないために USBからの自動起動をオフにすれば感染予防になります。XPの場合、USBメモリをPCに差した状態で、マイコンピュータをクリックし、USB_DISKを選択して右クリックでプロパティを表示します。自動再生タブで、内容の種類毎に実行する動作は「何もしない」を選択してください。また、Vistaの場合、「スタートボタン」→「コントロール パネル」→「ハードウェアとサウンド」、「自動再生」の「CDまたは他のメディアの自動再生」→「すべてのメディアとデバイスで自動再生を使う」のチェックを外しておきます。●一般的な駆除方法 まず、感染ファイルの親分を削除しましょう。セーフモードとコマンドプロンプトで再起動します。各ドライブのルートにある「autorun.inf」と、実行型ファイルである「*.exe」についてattribコマンドを使用してシステム属性や隠し属性を変更してから削除します。実行型ファイルの名前はウイルスにより異なります。現在流行っている一般的なものは「kava.exe」、「kavo.exe」、「mmvo.exe」、「revo.exe」などが多いようですが、今後も変種・亜種の発生に伴い様々な実行型ファイルが出現するので注意が必要です。削除後、PCを再起動します。 次に隠しファイルが表示できるようにレジストリを変更します。PCの再起動後、管理者でログインして、regedit.exeを利用して、以下の2つのレジストリの項目を「1」にします。・HKEY_CURRENT_USER > Software > Microsoft > Windows > CurrentVersion > Explorer > Advancedにある"Hidden"と"ShowSuperHidden"・HKEY_LOCAL_MACHINE > SOFTWARE > Microsof > Windows > CurrentVersion > Explorer > Advanced > Folder>Hidden>SHOWALLにある"CheckedValue"●初心者はどうする? 手動による駆除は、初心者ではかなり困難だと言えます。また、レジストリを書き換えることは大変危険です。うっかりPCの大切な情報を壊してしまい、ウイルス以上の損害を自分で与えてしまうことになりかねません。それでは、初心者はどうすればよいのでしょうか?… 【執筆:せきゅバカ一代】<執筆者略歴>セキュリティ業界で15年。現在は某セキュリティ会社の社長を勤める。自ら世界中を駆け巡って新技術を収集している。 ◎ 相談室にご相談をお寄せください メールでのご相談 scan@cybozu-mt.jp Webフォームからのご相談 https://shop.ns-research.jp/form/fm/qa 【関連記事】情報セキュリティなんでも相談室 第9回USBメモリ感染型ウイルスからイントラネットを守る方法を教えてください https://www.netsecurity.ne.jp/3_12567.html 情報セキュリティなんでも相談室 第10回USB感染型ウイルスの駆除の方法を教えて下さい[前編] https://www.netsecurity.ne.jp/3_12819.html ── ※ この記事は Scan購読会員向け記事をダイジェスト掲載しました 購読会員登録案内 http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?w02_ssw