BCMが求められてきている中で、BCMに関する議論や認定制度、BCM構築支援サービスの提供等に係わる動きが急速に活発になっています。一方、行政府によるガイドラインも公表され、国際標準化についても国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)で議論が進められています。
<諸外国の状況>
◇2002年に英国規格協会(BSI:British Standards Institution)がBCMの一般仕様として「PAS56」(Publicly Available Specification 56:英国国家規格の前段階)を策定し、次いで英国規格としてBS25999が発行されました。BS25999は2部で構成されており、BS25999Part1は、事業継続管理のための実践規範でありガイドラインにあたります。BS25999Part2は事業継続管理のための仕様で、事業継続マネジメントシステム(BCMS)の要求事項を詳述しています。Part2は、パートナー企業やサプライヤーの適切なBCMの整備を確認できるように第三者認証用規格として発行されました。BS25999Part2の審査プロセスと認 証により、組織は規格要求事項への準拠とBCMのベストプラクティスの実践を外部にアピールすることができるようになります。
◇米国では、2001年9月11日の同時多発テロ以降、度重なるテロリストからのテロ予告に加え、ハリケーン・カトリーナなどの天災による被害を受け、米国政府は、BCPやDR(Disaster Recovery:災害復旧)の重要性を認識して、2004年にNFPA(National Fire Protection Association)が「NFPA1600」を策定しました。次章では米国でのBCM進展状況を紹介します。