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2017.08.24(木)

JPCERT/CC 代表理事 歌代 和正 氏に聞く 情報漏えいの現状と対策(1)

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 今春SCANから発行されたビジネス調査資料「情報漏えい年鑑2008」は各界から多くの反響を得ました。今回は、同年鑑に序文を寄稿いただいた有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター 代表理事の歌代和正氏のインタビュー記事を2回にわたってお届けします(本インタビューは「情報漏えい年鑑2008」の刊行時に実施されました)

●なぜ、情報セキュリティの仕事に携わるようになったのでしょうか

 私がソフトウェア・リサーチ・アソシエイツ(現株式会社SRA) に勤め始めたのが1983年で、その翌年の1984年10月には「JUNET」が始まった。JUNETは慶應義塾大学や東京大学、東京工業大学などを結んだUUCPによる実験ネットワークで、役割を終えるころには600以上の大学や企業が参加していました。

 1988年に起きたインターネットの10分の1がダウンし、CERTが設立されるきっかけとなった有名なモーリスワーム事件よりも前の話で、当時はまだセキュリティについて今ほどは気にしていない時代でした。日本では「WIDEプロジェクト(1988年設立)」が設立され、インターネットが広がっていった時期でした。

 ちょうどその頃、SRAで社内ネットワークと広域ネットワークの接続をすることになったのです。セキュリティを気にしていない時代だったとはいえ、社内ネットワークをそのまま公開するのは問題があるということになって、ゲートウェイ的な役割のマシンを構築しました。広域ネットワークから内部に接続するには、いったんゲートウェイにログインしてから、内部に接続するというものでした。その後、要望を受け改良を進めていき、FTPやGopherなどにも対応していきました。

 この過程で、どうしてもセキュリティを考えなければならないという必然性があったのです。

 その後、1994年にIIJに転職し、セキュリティ関連のサービスを立ち上げたりもしました。それ以降、情報セキュリティに携わり続けて今に至ります。

●個人情報保護法による変化と問題点

 個人情報保護法が2005年に全面施行されてから、企業側の情報取り扱いに関する意識は変わったと感じています。漏えい事件全体の数は変わらなくても、企業が余計な情報を集めなくなってきたので、漏えいする情報の種類は減ったのではないでしょうか。

 一方、消費者側はまだ混乱しているように思えます。個人情報保護法についての誤解や過剰反応も見え隠れします。また、サービスプロバイダなどに情報を預ける場合、その事業者に預けても安心できるかどうかがわかりにくい。

 今のところ、残念ながら消費者が賢く選択しなければならない状況です。中には安かろう悪かろうのサービスもあります。消費者が正しく判断するのは簡単ではないようです。

 皆さんが海外旅行でクレジットカードを使うとき…

【執筆:株式会社トライコーダ 上野 宣 ( http://www.tricorder.jp/ )】

【関連リンク】
log.utashiro.com(歌代氏ブログ)
http://log.utashiro.com/
日本の情報漏えい事故を個人情報保護法実施以降から総覧
https://www.netsecurity.ne.jp/1_11044.html
「個人情報漏えい年鑑2008ダイジェスト版」を無償公開
https://www.netsecurity.ne.jp/1_11443.html
日本情報漏えい年鑑 2008(−2005年1月度〜2007年12月度−)
http://shop.ns-research.jp/3/3/11015.html
──
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