個人情報保護法や日本版SOX法施行の影響で、コンプライアンス対応強化が叫ばれる中、「認証・認可基盤の統合」がひとつのキーワードとなっている。なぜなら認証・認可システムが統合されていない環境でのセキュリティ対策には限界があるためだ。そこでマイクロソフト社のActive Directoryは認証・認可とユーザ&PCの管理基盤を構築し分散したシステムが抱える問題を解決する有効な手段となるが、実際にはActive Directoryを中心にIT基盤の確立を目指す多くの企業は、実際には理想とほど遠い現実に置かれている。●Active Directory導入企業の多くが抱える問題【NTドメイン時代の制約をひきずったADの乱立】NTドメインの時代は拠点や部門ごとに分散管理が行われる傾向にあったが、その構成を見直すことなくADを導入したことが、現在のADの乱立につながっている。このような企業は現在、業務統制のために部署間でワークフローを作る際に業務上の不都合が生じるといった弊害が発覚したことからADの設計を見直し始めており、ADを1つに再構築しようとする流れにある。【拠点・部門単位でのシステム運用が生んだ新たな問題】しかし、ADを1つに再構築しただけでは全ての問題が解決するわけではない。NTドメイン運用時代に端を発する拠点・部門単位でのシステム運用・管理体制は、その他にも問題を生み出しているのだ。そのひとつがアプリケーションの乱立だ。続きはこちら>>>【 前 編 】Activ Directory導入企業の多くが抱える問題https://www.netsecurity.ne.jp/special/ad/web01.html【 後 編 】では、「AD統合を中心とした認証・認可基盤構築のシナリオ」についてまとめている。●AD統合を中心とした認証・認可基盤構築のシナリオ【AD統合をベースとした認証・認可基盤の統合】<AD統合で得られるメリット>◆部門をまたがる業務フローの構築が容易に◆認可システムを統合管理することで、セキュリティポリシーの整合性が確保できる◆部門をまたがる移動などでのユーザ情報管理を容易にする【ADやアプリケーション群のID統合(認可基盤の統合)】<ID統合のメリット>◆IDとパスワードの管理コストを削減し、メンテナンス性も飛躍的に向上できる◆ユーザが複数パスワードを管理することで発生するセキュリティの低下を防止できる◆人事異動などによるID管理が確実に行える【認証強化と認証基盤の統合】ID・パスワードに変わるより強固な認証システムとしては生体認証やICカード認証があるが、その導入の際は将来を見据えた統合認証システムの構築をお薦めしたい。【SSOの検討(認可基盤の統合第2フェーズ)】以上はAD統合認証基盤上のアプリケーションしかない場合の統合認証・認可環境の構築例だが、Windows統合認証を利用できないアプリケーションが存在するケースもある。続きはこちら>>>【 後 編 】AD統合を中心とした認証・認可基盤構築のシナリオhttps://www.netsecurity.ne.jp/special/ad/web02.html【執筆:編集部】【関連記事】統合認証基盤構築 〜その現実的な解答とは〜https://www.netsecurity.ne.jp/special/iam/01/web.html