現在、米国は確定申告の時期だが、米国国税庁(Internal Revenue Service:IRS)が、2008年の"最もひどい税金に関する犯罪"12種類を発表していると、『Rutland Herald』が述べている。『Rutland Herald』はバーモント州の新聞社で、地元をはじめ、米国全体や世界の社会、スポーツ、経済、政治などの最新ニュースを提供している。IRSが今回、税金に関する犯罪のトップに挙げたのは、フィッシング詐欺だ。正規の組織からのメールだと偽って送信して、信用した受信者の情報を不正に獲得。それを基に、被害者の名義で融資を受けたりする。特に米国で確定申告の締め切りである4月15日が迫るこの時期、IRSの名前を使ったフィッシング詐欺が増えると、これまでにも報告されてきた。米国の確定申告は、個人がそれぞれ年に1度、1年間の所得を政府に届けて納税を行う。日本では企業や組織に勤めている場合は、その組織が毎月の給与から税金を源泉して、年末調整を行うが、米国では毎月、税金は控除されず、組織ではなく個人個人で申請するために、いわゆる給与所得者にとっては、納税先であるIRSとの関わりは深いと言えるかもしれない。IRSから連絡があると、「申告漏れによる税金追徴か?」など、市民にとってはドキリとさせられる。IRSフィッシングは、その不安心理をあおった詐欺だ。今年1月にもワシントンで開かれたブラックハット・フェデラル・ブリーフィングでも、アンディ・フリード財務捜査官が、スパム対策サービスを提供する企業の1社によると、スパム全体の1パーセントがIRSに関するものだと報告している。スパムといえば、バイアグラをはじめとする医薬品の販売といった広告メールも含めて、現在インターネットのe-mail全体の9割を占めるというレポートもあるぐらいだから、1%といえども大変な量になる。それも、IRSのフィッシングメールは2003年に最初に確認されてから、着実にその数を増やしてきているという。その他に、フィッシング詐欺に含まれるものとして、第2位にEconomic Stimulus Paymentに関するものが別個に挙がっている…【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】──※ この記事は Scan購読会員向け記事をダイジェスト掲載しました購読会員登録案内 http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?w02_ssw