●中国からの攻撃に備える世界McAfeeの報告書が警告しているのは、エストニアへの攻撃のようなサイバー戦争だ。そして近年、頻繁に指摘されているのが、中国人民軍などによるサイバー攻撃で、繰り返し報じられている。ドイツのニュース誌、『Der Spiegel』が、ドイツ政府のコンピュータが中国からの攻撃を受けたとの記事を8月下旬に掲載している。中国からハッカーが、ドイツ政府の4つの省庁のシステムを攻撃して、160ギガバイトのデータを盗み出したという。ハッカーはトロイの木馬を用いていた。それから数日しか経っていない9月3日に、『Financial Times』が、人民軍のハッカーが6月に米国の国防総省のシステムに侵入したと報じている。人民軍による国防総省のネットワークへの攻撃は新しいものではない。過去数年にわたり、1日に数百件の割合で仕掛けている。しかし、『Financial Times』のインタビューに応じた関係者によると、その攻撃がどんどん高度化している。「人民軍は国防総省のシステムを不能にすることができる能力を示してみせた」と言うように、6月にはこれまでで最も成功した攻撃を行った。そして、米国の防衛に関わる企業やシンクタンクのネットワークに侵入した。国防総省では攻撃元を中国政府だとは公には特定していない。しかし、攻撃があったという事実は確認している。さらに、ロバート・ゲイツ長官の事務所のシステムをシャットダウンする必要があったという。また、攻撃が行われている間、1週間以上にもわたってネットワークを停止する必要があった。11月には台湾で販売されていた、新品のMaxtor製のHDDが既にトロイの木馬に感染されていたことが判明した。この事件でも、捜査の結果、中国にあった下請け会社で製造中に感染したと分かり、中国政府の関連がほのめかされた。中国は台湾と、いわば敵対関係にあるので、疑われても当然かもしれない。Maxtor製品はそれ以前にもオランダで販売されていたものが、やはりトロイの木馬に既に感染していたとKasperskyが報告している。しかしこちらは、Maxtorを所有するSeagateが否定している…【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】──※ この記事は Scan購読会員向け記事をダイジェスト掲載しました購読会員登録案内http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec